過ぎ去りしdays
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koburii

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国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦。



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[DVD] 赤ワインとダリオ・アルジェント

先日よしもとばななさんの「彼女について」を読んだのですが(ところで彼女はいつから”吉本ばなな”から”よしもとばなな”になったのだ?)、巻末に、これはアルジェント監督の「トラウマ」という映画がベースになっていると書いてありました。

あの「サスペリア」の監督さんですよね。これは見たい!ということで、1本見たら、もっと見たくなり、週末まとめてDVD5本。
真っ赤なワインを用意して、二夜連続ダリオ・アルジェントナイトでした。
うひひ〜。

まず最初はもちろんこちら。
Trauma(1993) 邦題「トラウマ」
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両親が目の前で首を切られるところを目撃してしまう少女。
たしかに降霊会とか、それっぽいですね。
主演の少女はアルジェント監督の娘さんだそうです。
これでもか、これでもかと首がチョップされます。生首ラッシュ。
怖いというより痛そうだった・・・

次が有名なこれ
Suspiria(1977) 邦題「サスペリア」
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やはりアルジェント監督の作品の中では私はこれが一番好きかな。
まず綺麗。美少女、バレー、ドイツの洋館。赤い色の演出も効果的。
髪型とかリボンとか、日本の少女ホラー漫画みたいだし、
音楽もこれが一番いいし、幻想的な雰囲気を楽しめた。
嵐や音や風の音で恐怖感の煽り方も素晴らしい。まさにホラーの傑作。
スリー・マザーの一人、長老が住む館。

Deep Red(1975)  邦題「サスペリアPart2」
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アルジェントファンに人気が高い作品だそうです。
内容も面白いし、十分怖いし、サスペンス度も高くていいんだけど
個人的には、主人公の男性が首を突っ込み過ぎでイライラした。
警察来る前にそんなベタベタ触るなよ(怒)、みたいな。
音楽もこれは私にはイマイチ。なんか何もかもしつこい感じでイライラ。
それと最初の仕込み、これに気付いちゃったのと、
トラウマを先に見ているためか、内容がかなり初期の段階で読めてしまって。
そうは言ってもお約束で2度見ましたけどね。よく出来ていますな。

Inferno(1980) 邦題「インフェルノ」
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これは全然怖くない。ドキドキはするけど怖くはない。
「サスペリア」でも登場するスリー・マザー。
ローマに一人、ドイツに一人、ニューヨークに一人いるらしく、
こちらはニューヨークの魔女編。
「三人の中でも一番残忍な魔女」ということで期待したんだけど
全然怖くないよお。首が中途半端にカットされたシーンは痛そうだったけど。
あと、猫をいじめるなー

The Cat o'Nine Tails(1971) 邦題「私は目撃者」
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初期の頃の作品で、サスペンス色が高い作品だけど、
それでも十分ホラーの要素あり、お色気ありで、そこそこ
楽しめた。Hの後に牛乳飲むのか。しかも三角パックの。

結構クセになるアルジェント作品。
まだまだあるのでお楽しみです。


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「小さいおうち」中島京子

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「小さいおうち」 中島京子

 初版発行|2010年

京極夏彦のせいで、脳みそが洋物を拒否します。もうしばらく和書でいきます。
こちらはお気に入りの読書ブロガーさんたちが、挙っておすすめしていたのでとても気になっていた本です。

歴史の教科書で、メインの年表の横とかに、ちょこっと小さいイラスト付きで紹介されるトリビア的なお話ってありますよね?

生活様式とか、当時の食事とか、何を着てたとか、何が流行ったとか。テストには出ないし、授業でも取り上げないけれど、何よりも時代を感じさせてくれ、ぐぐっと身近に感じさせてくれるあれ。私なんかも年号なんかはそっちのけで、そんなのばっかり読んでいた記憶があります

中島京子さんの「小さいおうち」は、そんなトリビアがたくさん詰まっていて、ヒストリカル・フィクションと言ってもただ歴史に沿うだけでなく、女中の目から見た、第二次世界大戦に突入する日本がとても興味深く描かれています。

昭和15年に開催されるはずだった東京オリンピックや紀元二千六百年際の行事、中止された万博のエピソードなどはとても楽しく読める。
また戦争突入直前までの、わりかし暢気に構えていた庶民の生活の描写が特によくて、ああもうすぐ大空襲だよとか、でもその年は戦争だよとか思いながら読むので意外とハラハラさせられた。

主人公のタキちゃんは、昭和5年、尋常小学校を出るとそのまま東京に女中奉公に出されます。そこで出会った奥様、時子さんと恭一坊ちゃん、そして旦那様と過ごした、小さい赤い瓦屋根の洋館での日々。暖かく、甘酸っぱく、夢のような時間。

この思い出を、60年後、80も遠に過ぎたであろうタキが語ります。若いタキちゃんと、老いたタキばあさんの生活がパラレルで進みます。最終章はタキばあさんの甥っ子である健史君により、別の形で小さいおうちが語られます。この家で起きていたことは、本当は何だったのか。鋭い感性を持った芸術家によって描かれたもう一つの世界とは。

作者中島京子さんは、当時を丹念にリサーチされており、タキちゃんの針仕事じゃないけど「見えないところに手を抜かない」。長年雑誌社で編集者やライターとして活躍されていた方だからでしょうか、枠組みがしっかりしていて、手落ちのない小説という感じです。キャラクターにはとても深みがあり、味があり、魅力的。タキちゃんはもちろん、私は若奥様の時子さんも大好きになりました。

何よりも読ませるのが昭和の台所。食事がどれもこれも美味しそうで、溜め息が出ます。タキさんの家事の工夫は見習いたいし、きちんきちんとした生活様式は、読んでいるだけで背筋がシャキン!として、身が引き締まるほどです。一日中こまめに動いて、家事をしていたんだろうなあ。見習いたいっ

こちらの本は図書館でお借りしたのですが、私の中で数少ない、「読んだ後に買うと決めた本」です。だって私は私で、タキさんさんと絶対お別れしたくないんですもの〜。


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[美]空 夏 ビール

先日、モームの読書感想で、ゴーギャンの絵を見に行った話をしましたけど、アートのクラスで一緒だった、スーちゃんが一緒でした。

スーちゃんはスーちゃんで、ルーフトップで展示中の、Tomas Saracenoの作品に登りたいとのことで、ゴーギャンの後で一緒に屋上へ。

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<こちらはお借り画像。こんな風に登れるんですよ>
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もの凄く暑い日で、レザボアが綺麗なターコイズブルーだった。
ホント暑いの何のって。

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でもこういう暑い中でビールが飲みたいと言う人がいるで、仕方なくテラスの店で軽食を。
しゃれじゃなく、熱帯リゾート地かよ!ってくらい暑くて、ビールもすぐぬるくなるし、しまいには可笑しくなってきた。でも2杯も飲んでしまった。

ところでこちら。スーちゃんからもらったんだけど、
この味は初めて食べる。クールハニーだそうだ。

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クールだからハニーの甘みなんだかイマイチ分らなかった。


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野球とビール

ところでもう一つの夏のギルティプレジャー。

野球場でビール。

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最近はもう、野球を見るというより、ビールを飲むために球場に行っていると言っても過言ではない。

昔、神宮球場にもまったく同じ目的でよく行ったけど、ヤンキーススタジアムはチケットが結構なお値段するので、ちょっと罪悪感が。単純に野球が観たくて行くなら、たぶんそんなことないんだろうけれども。

それでも贔屓の選手はちゃんといます!最近は断然Cano!クール&キュート。
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ps
夏のもう一つの風物詩・・・こちらは4日の花火大会の様子。
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京極の夏

先月末に引越しをした友人から頂いた京極夏彦の本。いろいろ積まれていたのですが、まだ読んでいない京極堂シリーズの塗仏の宴の2冊と、それと巷説百物語もの2冊、計4冊を頂き、サマーリーディングと読みふけっておりました。

10日くらいかけてやっと読み終わったのはこちらの4冊。全部で3500ページくらいありました。おい。

・塗仏の宴ー宴の支度
・塗仏の宴ー宴の始末
・巷説百物語
・後巷説百物語

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京極夏彦の「妖怪」本は、ただただひたすらギルティプレジャーです。すっごい面白いゲームソフトを、何日も寝ないでやり続けた時の、罪悪感と恍惚感が入り交ったなんとも言えない気持ち、あれに似てる。まあたぶんえっらく時間を食うからだと思うんですが。お金と一緒で、時間をごっそり注げるものって(しかも妖怪とかに)、もう道楽ですよね。あと誰に理解されなくてもいいというか、感想すらシェアしたくないというか(笑)、自己満足で留めておきたいこの感覚は何?

ちなみに京極堂で私が一番好きなのは「狂骨の夢」。ドリフターな朱美さんがかなり好み。塗仏の宴にも登場。塗仏の宴は笑っちゃうくらい全員集合で、しかも恐ろしく長い前振りで構成されていて、読み終わってぐったりしてしまった。




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145冊目: The Moon and Sixpence

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Book No.145
Title: The Moon and Sixpence
Author: William Somerset Maugham
Publication date: 1919

モームは読みやすいし、エンターテイメント性も高くてかなり好きなのですが、こちらは特にストーリーテラーのモームならではの一冊!って感じです。私が本の次に愛する絵の世界を描いているところもポイント高い理由。
ナレーターは駆け出し小説家の青年で、彼の目から見たStricklandという美に取り憑かれた中年男の半生が描かれています。

"And the passion that held Strickland was a passion to create beauty. It gave him no peace. It urged him hither and thither. He was eternally a pilgrim, haunted by a divine nostalgia, and the demon within him was ruthless. There are men whose desire for truth is so great that to attain it they will shatter the very foundation of their world. Of such was Strickland, only beauty with him took the place of truth. I could only feel for him a profound compassion."


Stricklandは、ブローカーとして成功した40絡みの中年男ですが、ある日突然絵を描きたいからと、妻を捨て、育ち盛りの子供達も捨て、仕事を投げ出し、パリに行き、そこで浮浪者のような生活を送りながら絵を描きはじめます。
飢えと病気で死にかかったところを、人のいい、世話焼きの友人に助けられますが、その友人の奥さんを寝取り、最悪の結末で関係を終わらせ、タヒチに逃れ、村の娘の世話になりながら絵を描き続け、ハンセン病になり、死に際に最高の傑作を描きますが、自分の死とともに燃やしてしまいます

普通の感覚だと「だからちみは何がしたいんだよお…」な話だと思うんですけどね。それが天才と一般人の差でしょうか。今だとミッドライフクライシスで片付けられてしまうかもしれません。それにしても凄まじい人生です。ある種の宗教、殉教者の域ですよね。事実Stricklandは、美の信仰者であり、美のエヴァンゲリストです。神が伝道者には厳しいように、Stricklandにとって美とは、決して心地よいものでも愛でるものでもなく、むしろ畏れるものであり、全てを投げうってひれ伏すものなのです。

Stricklandの、世俗を徹底的に無視した態度、美と芸術のために全てを捧げる生き方が、口あんぐりだけど読んでて気持ちいいです。創造する真の喜びを知る、ゼロから有を生み出す世界の住人になることは険しい道ではあるけれど素晴らしいでしょう。そこでは世間の評価はどうでもいいし、嫉妬も羨望もランクもない。人の意見や世間体ばかりを気にする社会、勝ち組や負け組の発想、足の引っ張り合いが生まれるのも、既存の物や立場を奪い合うしかない非クリエイティブな人間の集まりだからとも言えますから。

ところでこちらは、画家ゴーギャンをモデルにしてるとも言われます。行動そのもの(40近くなって仕事を辞め画家を目指しそこから大成した天才肌、絵も売れず貧困で苦しむ、タヒチの絵など)はまあそうなんですが、Stricklandはロンドナーの設定だし、また性格や発言などは、ゴーギャンというよりは、いろんな芸術家(特に印象派)が寄せ集まってできあがったキャラクターという感じです。ゴーギャンも、Stricklandほど割り切って迷いなく芸術に打ち込めていたら良かったのにと思います。

またタイトルのMoon(月)とSixpence(六ペンス)は、天才/芸術/ルナティックを表す月と、凡人/生活/現実を表す六ペンスで対象的に用いています。そしてStricklandの3人の女性達ですが、ロンドンのスノッブな正妻は、Stricklandのバカさ加減に愛想を尽かし、パリの不倫妻は、芸術家Stricklandに抵抗するも魅力に逆らえず身を滅ぼし、タヒチの大地の少女は始めから最後まであるがままのStricklandを包容するという、分かりやす過ぎるコントラスト。モームがストーリーテラーと呼ばれる所以でしょうか。でもねえ、ロンドンの奥さんの気持ちも私はよくわかりますよ。就学中の子供3人も4人も抱え、大都会で生きるって本当に大変ですもの

それはそうと、読み終わるとゴーギャンの絵が見たくなり、METに行ってきました。数点あるMETのゴーギャンコレクションは、ゴッホと同じ部屋、セザンヌの間の隣に置かれております。

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私が好きな絵は2点あって、まずこの果物の静物画。
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モームの小説の中にも、ゴーギャンの静物画らしきものを描写するシーンがありますが、こちらの絵を思い出しました

そしてもう一つ。
ゴーギャンの中でも傑作の一つとされている、二人のタヒチアン女性の絵。

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この二人のタヒチアン女性の絵なんですがね。。かなり色っぽいんです。実際本物を間近で見ていると、私でもムラムラしてきます(笑)。

無垢にもあらわになった娘たちの胸にはまだ幼さが残りますが、寄り添うように描かれた熟したマンゴーとピンクの花の効果で妙になまめかしい印象を与えます。また興味深いのは、若さの漂う胸とは対象的なこの娘たちの表情で、無垢とは言えず、女の知恵を知った顔です。まさに崇めていいのか、畏れていいのか判断に迷うところです。ところでこちらの絵、数年前、精神の病んだ女性が、この絵を破壊しようとした有名な話があります。少なくともどうであれ、彼女にはゴーギャン(Strickland)の畏れが伝わったのかも?しれませんね。



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