183冊目"Flora and Ulysses" たとえあなたが誰であっても

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Title: Flora and Ulysses~ The Illuminated Adventures
Author: Kate DiCamillo

Publisher: Candlewick
Publication date: 9/24/2013
ISBN-13: 978-0763660406
Format: Hardcover
Pages: 240 pages


"Because of Winn-Dixie "や"The Miraculous Journey of Edward Tulane" などでとても有名な児童文学作家 Kate DiCamilloの比較的最近の作品。

"So many miracles have not yet happened."



主人公のFloraは、10歳にして斜に構えた皮肉屋さん。“Terrible Things Can Happen to You!”という本を持ち歩き、合い言葉は“Do not hope; instead, observe.”の、夢や希望を持たない少女。両親は離婚していて、大好きなお父さんは離れて暮らしている。チェーンスモーカーで、ロマンス小説を書くのに忙しい母親は、Floraのことを気にかけている様子もない。

物語は隣人が、Ulysses Super-Suction Multi-Terrain 2000Xというすごいバキュームクリーナーを購入したことから始まる。そしてこのバキュームから一人の(一匹の)スーパーヒーローが誕生します。

って、リスなんですけどね。ポエムを書き、空を飛び、Floraのためにがんばるリスなんですよ。Floraはバキュームから名前を取って、リスをUlyssesと名付けます。

Kate DiCamilloのいつもの作品のように、冒険と、チャレンジと、心温まる交流が今回もしっかり描かれています。

大人達は自分の問題で忙しく、Floraはコミックブックを読みあさり、言葉を愛し、感情に負けず、孤独な自分に気が付かないふりをして暮らしています。そこに現れた我等のUlysses。Ulyssesも同じように言葉を愛し、言葉でFloraに応えてきます。Floraの中で芽生えるものは愛であり、友情であり、信頼です。その相手はリスであっても。

漫画を所々で取り入れた不思議な本ですけど、妙な引力があります。読みやすく薄めの本なのでさくっと読めると思います。


[映画] Her 完璧な恋人

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"Her" (2013)

監督: スパイク・ジョーンズ
出演: ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン(声のみ)、エイミー・アダムス
配給: ワーナーブラザーズ
公開: 2013年12月18日(USA)

"I’ve never loved anyone the way I love you."

あなたのことを100%理解してくれて、あなたの日常から仕事から趣味に至るまですべてに関心を持ってくれて、朝でも昼でも夜中でもいつでも耳を傾けて話を聞いてくれて、落ち込んでいたら慰めてくれて、元気のない時は笑わせてくれて、臆病になっている時は一歩前に出る勇気をくれる。

そんな異性が現れたら、みなさんはどうしますか。恋しちゃうでしょうか。ああでも一つだけ条件があるんです。その理想の恋人とは、決して会うことは出来ません。写真すら、もらえません。なぜならその恋人は、声だけしか持っていないのですから・・・・



こちらも結構前に見た映画で、今年のお正月映画の中では一番印象に残った作品です。"ビーイング・ジョン・マルコヴィッチ"の監督さんだけあって、テーマとか新しい試みがとても興味深い。一方で本質的にはクラッシックなラブストーリーというね。

舞台はちょっと未来のL.A.(撮影場所には上海とかも使われている)。人々の生活はほとんど今と変わらないけど(服装はハイウェストのパンツが流行らしい)、ハイテクだけが少し進んでいる感じです。

ホアキン・フェニックス演じるセオドアは、最近離婚したばかりで少々うつっぽくなっている孤独な男性。ロマンチックな手紙を、家族や恋人にかわって創作する仕事をしています。

なんとなく日々空しく過ごしているセオドアは、ある日、新ビジネスの人工知能を備えたオペレーティングシステムを利用することにした。ちょっとしたインタビューを受け、OSの声を男にするか女にするか選択する。女性の声を選んだセオドアの前に"彼女"が現れ、自分はサマンサだと名乗ります。そこからセオドアとサマンサ(スカーレットヨハンソン)の交流が始まります。

セオドアとサマンサは、普通の恋人以上に親密になっていきます。二人はデートもするし、ある形で肉体関係も持つし、一緒に旅行にだって行きます。どれも完璧です。セオドアにとって、サマンサはなくてはならない存在になっていきます。生活には張りが出て、仕事にも精が出る。しかしこの恋は、一体どこに行き着くのでしょうか。

コンピューターと人間、ラブストーリーとテクノロジー、孤独とコミュニケーション、親密さと決して近づけない場所。

面白いのはこの映画の感想が、本当みんな違うのですよ。私の周りは比較的女性の反応がイマイチだった。自分の話はしない徹底的な聞き上手のコンピューターと恋愛ねえ・・・みたいな。

私は結構楽しかった。OSとの恋愛も、遠距離恋愛とかメール(文通?)恋愛もあるわけだし、あながち離れた世界ではないかなと。それでも最後の女友達(エイミー・アダムス)と二人で屋上で寄り添うシーンがいい。言葉なんて一つもなくても、ただ肩によりかかるだけで満たされる何か。百万の言葉よりも、海より深い理解よりも、ただぬくもりが欲しいのが人間だったりするのよね。

182冊目"The Husband's Secret" 夫の秘密すら守るのが妻ならば

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Title: The Husband's Secret
Author: Liane Moriaty

Publisher: Amy Einhorn Books/Putnam
Publication date: 7/30/2013
ISBN-13: 9780399159343
Format: Hardcover
Pages: 416 pages

“Marriage was a form of insanity; love hovering permanently on the edge of aggravation.” - The Husband's Secret



とても売れていましたねこれ。評価も結構高かったような。
感動するほどではありませんが、普通に面白かったです。ページターナーで引っ張り方も心得ている感じ。

メインに3人の女性が登場します。仕事も家庭も完璧で3人の娘の母であり成功しているCeciliaと、夫と親友の3人でビジネスを立ち上げたTess、そして学校の秘書をしているRachel。Rachelは他の二人より年配で、すでに孫もいて一人暮らしをしています。

ストーリーは、Ceciliaが屋根裏部屋で封をした手紙を見つけてしまうことから展開していきます。その手紙とは、夫がCecilia宛に書いたもので、自分の死んだら開けて読んで欲しいと書かれてあります。夫は出張中。さてCeciliaは手紙をどうするのか。中にはどんな秘密が書かれているのでしょうか。

TessはTessで、夫から秘密を告白されてしまいます。まあこちらはよくある話かな。独り身のRachelは、事情があって若い男を追っています。

はじめはバラバラの3人ですが、自然と絡みあっていきます。でもそれぞれの話は独自に展開していき、3人の絡みや関係がテーマではありません。それぞれが、結婚で、家庭で、座礁に乗り上げた時にどう家族と(自分自身と)向き合うかが読みどころになっています。

Ceciliaとその夫の秘密は厳しいものです。そしてそのために払うことになる代価も。読みやすく軽い感じの小説だけに、何もこんな重い展開にしなくても・・と言いたくなるほど。

夫の秘密で一番傷つくのは妻ですが、最後までその秘密と向き合わざるを得ないのもまた妻なのですね。家庭を守り、家族を守り、夫の秘密を守るのが妻なのかってね。逆もまた然りですけど。

既婚者は秘密を、(1)作らないようにする。(2)墓場まで持って行く。もうどちらかですね。途中で告白とか本当ダメダメですよ。


[映画] "Frozen" 氷を溶かすもの

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Frozen (2013)

監督&脚本: クリス・バック/ジェニファー・リー
制作: ウォルト・ディズニー・スタジオ
公開日: 2013年11月(アメリカ)

アンデルセンの童話 "The Snow Queen"がベースのディズニー映画。

だいぶ前に見たんですけど。凄く面白かったですこれ。

プリンセス出てきますけ、お姫様と王子様ストーリーではなく、姉妹の物語です。3Dじゃない普通バージョンで見ましたけど十分でした。画像が綺麗なのでアニメ好きならDVDよりは映画館で見ることをおすすめしますが。

"Beauty and the Beast"が大好きなので、同じスタッフによる映画ということで楽しみにしていたのですが、想像以上によかった。絵もリアル顔じゃないから可愛い。



プリンセス・エルサは触るものを氷に変えたり、雪を降らせたりする不思議なパワーを持った少女。だけどそのせいで妹のアナを傷つけてしまうのね。とても仲の良い姉妹で妹思いのお姉さんだったエルサは、アナを守るために部屋に閉じこもってしまうように。それから両親が亡くなって、残されたアナとエルサはエルサの戴冠式で再び接近するんだけど、そこでまた氷のパワーが出てしまう。自分の力を恐れて山に逃げるエルサだけど、力はどんどん増して行って、村ごと凍結させてしまうことに。

明るく奔放でお姉ちゃん大好きのアナと、妹を思うばかりにどんどん閉じこもっていってしまう責任感の強い姉エルサの、食い違いすれ違いがもどかしい。アナの無邪気な明るさは文句なくかわいい。他人を気遣っていい子だった姉エルサが抑えていた感情や魔法のパワーを解き放って本当の自分を出す姿は感動的で映画のベストシーンの一つ。


Let It Goソング

エルサには自分のままでいてほしい。でもそうすると村は凍ったまま。そしてアナは瀕死の状態にと、ああどうしたらいいの〜みたいな感じなんだけど、ラストはちゃんと大満足で終わる。

笑えるシーンも多いし、歌もいいし、氷や銀世界の絵も美しくておすすめ。

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ギフト券があったので、アマゾンで買っちゃった。

181冊目 "The UnWired Mom" ネット依存ママ

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The UnWired Mom - Choosing to Live Free in an Internet Addicted World

Sarah Mae

Publication Date: June 23, 2013

雑誌で紹介されていたので読んでみた電子ブックです。エッセイ系。

著者は以前インターネットの世界でそこそこに成功をおさめたママさんブロガーみたいな方で、本を出版したり、人を集めてワークショップなんかも開いたりしていたようです。でもネットする言い訳がある分、費やす時間もどんどん延びて、ネットから離れることが難しくなり、最後は依存状態に。自分の時間と子供との時間を取り戻すため、どうやって依存状態から抜け出すかの奮闘記ですかね。

I finally told my husband, “I think I need to quit everything online. I’m addicted. I can’t stop. I just want to be on the computer because it’s easy and it makes me feel better. But it really just makes me feel worse.”~ from"The UnWired Mom"



個人的には中毒だろうが何だろうが、子育て中で時間が細切れにしかないお母さんがネット依存気味になるのってある意味仕方ないような気もするのですが、子供との時間が少なくなることに罪悪感を持つ人も多いとか。子育ての悩みや相談、またママさんとの付き合いも、ネットを通すことで便利になる一方、関係そのものは希薄だったり。

本にはどのようにしてネット時間を減らすか、具体的なステップとして紹介してあります。アメリカらしいアイデアでは、旦那さんが出勤する時にラップトップを一緒に会社に持って行ってもらうとか。車通勤ならではでしょうか。

タイマーをセットするとか、友人の協力を得るとか、まあ普通のアイデアがほとんどで、たぶんこの本を読んでネット依存から抜け出すのはまず無理でしょう。ネット依存から抜け出すために役立つおすすめサイトが随所随所で紹介されていて、あれ?みたいな(笑)。

著者が成功したとすれば、理由はおそらく、彼女が熱心なクリスチャンで、「神の愛の力で絶対この状態から抜け出す」という強い信念があったからだと思います。それでも彼女のHPには今でもしっかりTwitterやFacebookのアカウントがリンクされていて、投稿を見ていると「本当に依存から抜け出したんかいな」みたいな量なんですけどね。

それでも母親ならではの時間の使い方の苦労や、子供との時間の過ごし方など、同じ立場の女性が読むと共感できてなぐさめられる部分も多いのかも。本というよりブログのような軽い読み物なので、さらっと読めてしまうのもいいと思います。こういう個人のブログを集めたような本がどんどん登場するのも電子ブックならではですね。


雪の多い年だった

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雪で完全に埋もれている車。
今年はあちこち本当に雪が多い。

ロマンチックだし、個人的には冬って感じでうっとり楽しんでました。
仕事で毎朝出かけなければならない夫はかわいそうだったけど。

戻ってきてすぐチャーチのチャリティイベントがあって、
例の私の絵だけど一枚50ドルで売れたらしい。嬉しびっくり。一体どんな方が。
私は絵を寄付した形になるので、売り上げ額がそのまま寄付になります。
2枚で100ドル。すごく嬉しい。
そして売れたことで欲が出てしまった。もうしばらく絵がんばろうかな。

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自分用に買ったバレンタインチョコ。
夫は花を買って来てくれるかと思ったけど、手ぶらで帰ってきた。

私の中では、冬はバレンタインまで。雪はまだ降っているけど。

NYでの用事も終えて、しばらくこちらにいる予定。
本と映画の感想を少しずつ更新します。


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*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。

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