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koburii

Author:koburii
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国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦。



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194冊目"Orphan Train" 孤児はいりませんか?

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話題の本。1853年から1929年まで、アメリカでは孤児となった移民の子たちを乗せてニューヨークから中西部へと走る列車がありました。Orphan Train。孤児の数は25万人。移民で栄えたアメリカですが、もっとも弱いものたちほど高い犠牲を払わされるものです。

Title: Orphan Train
Author: Christina Baker Kline
Publisher:William Morrow Paperbacks
Publication date: April 2, 2013
ISBN-13: 978-0061950728
Format: Paperback
Pages: 304 pages

I believe in ghosts.They’re the ones who haunt us, the ones who have left us behind.Many times in my life I have felt them around me, observing, witnessing, when no one in the living world knew or cared what happened. I am 91 years old, and almost everyone who was once in my life is now a ghost.


アメリカといえば移民の国です。初期のイギリス人はもちろんのこと、1800年代に入ると欧州全土で飢饉や不作などが続き、希望の土地アメリカを目指して続々と押し寄せます。

多くは全財産を投げ打ってアメリカ行きのチケットを手に入れ、体一つでニューヨークのエリス島に辿り着く。親を亡くしたり、捨てられた移民の子も大量に誕生し、その孤児たちは、ニューヨークから、人出を必要としている中西部の農家へと引き取られていきます。一つの駅で降りては親になる人を探し、見つからなければ列車に戻りさらに旅を続ける。その繰り返し。孤児はいりませんか?孤児たちは列車に乗って、ニューヨーク、シカゴ、ミネソタと移動していく。

1853年から1929年まで、孤児の数は25万人と言われています。小さい子ほど早く引き取り手が見つかり、大きな子供たちは引き取り手もなかなか見つからず、西へ西へと向います。また見つかったとしても、無給の労働者や奴隷のような扱いをうける子も少なくなかったようです。

小説はこのOrphan Trainで旅をした孤児の少女の1929年〜の話と、現在里親を転々として暮らしている10代の少女の話が交互の書かれています。孤児の少女は現在91歳で、この10代の少女と関係が出来ていくの。

もちろん読みどころはOrphan Trainの少女(名前はNiamh, Dorothy,Vivianと変わる)の物語。そもそも最初から9歳で大きく、赤毛のため、最後まで引き取り手が見つからなかった子供の一人。そして里親もひどいのね。
ここでたくましく生き抜き、厳しい人生の中で強く賢く生きた女性。波瀾万丈で厳しいほど、人生はドラマチックで生き生きとするのは事実です。その時は必死だし、苦しいだけだったりしますが。

舞台そのものがドラマ性が高い上、少女のキャラが強く賢くてとてもいい。目頭が熱くなるシーンあり、安堵で胸を撫で下ろすシーンあり、夢中になって読みました。でも最後の話は個人的にはどうでもいい話かなあと。

最近のアメリカ人は世界中から子供を養子で迎えていますが、初期の頃はこんなにも親を求める子供達が苦労してたんだと思うと興味深いです。そしてここでたくましく生き抜いた子供たちと、犠牲になった子供たちが、今のアメリカの土台にあるのだということも。
英語は標準的はあるものの、スラスラ進む感じでもないです。あと現代の設定で登場する女の子はにあまり共感が持てませんでした。

それにしても毎日死ぬような暑さでへたってます。へたりついでにお昼と夕方からはワールドカップ、時々ウィンブルドン、夜は野球と、ビールとスポーツ観戦の毎日です。来週からは朝のツールドフランス観戦が入る。どうしよう。



193冊目"A Year by the Sea" 主婦の一人暮らし

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Title: A Year by the Sea
Author: Joan Anderson
Publisher:Broadway Books
Publication date: August 15, 2000
ISBN-13: 978-0767905930
Format: Paperback
Pages: 208 pages

ノンフィクション。バイオグラフィというかエッセイというか。
作者Joan Anderson氏は作家です。子供も大きくなり、また旦那さんと二人の暮らしに戻るある時、突然旦那さんが転勤になり、引越しの話が持ち上がる。
ここでJoanはハタと気付く。「私は行きたくないぞ」と。
人生の後半戦、第二章。子供も巣立った今、これからどう生きるのか、どう過ごすのか。Joan は一人になって考えることを選びます。離婚ではありません。「しばらく一人になって考えたい」というやつです。
そこからJoanのケープコッドでの海辺のコテージ暮らしが始まます。そしてその一年間の様子が、月ごとに書かれています。

I am utterly content, tranquil in my aloneness, serene. Joan once told me that the root word in Greek for “alone” means “all one.” That is precisely what I am experiencing, a sense of that sort of wholeness.
"A Year by the Sea"


主婦にとってはまことに興味深い本です。
「海辺のコテージで一年間一人暮らし」というのは何という魅力的な響きでしょう。はっきり言って主婦にとっての本当のファンタジーって、不倫でもなければ、社会的な成功でもなく、こんな時間を持てることなのかも。子供の心配もなし、夫のことも考えず、自分のペースで、ただ波の音と生きる。家族が大切な分、家族がいると、家族に合わせて家族のことばかり考えている。自分の時間がないというよりも、一人にならなければ自分が見えてこない。家族が全てである分、家族といると自分が消える。自分が誰であるかすら忘れている。

読者を選ぶ本ではあります。評価も両極端。「海辺のコテージ」を所有していたり(ケープコッドは日本の葉山のような、都市に近い静かで海沿いの別荘の多い憧れの土地)、別居が可能な経済的余裕、作家という仕事、旦那さんの理解等、普通では無理という意見もあると思う。

でも別荘は持っていたとして、日々の暮らしは作家として稼いだお金ですし、地元でバイトをしたり、自立した女性です。また別居の後は旦那さんに離婚されるリスクもあるので、勇気もあると思います。

個人的には彼女のキャラは好きなんですが、海辺でのエピソードはさほど惹かれなかった。基本何も起きないので。退屈した頃に、人間観察に長けた知的な80代のおばあちゃん(同名Joanさん)と突然出会い、女性の生き方について語りあうとか、ちょっと出来過ぎのような気がしないでもなく。小説ではないのでラストも無難です。でも、裏方稼業の主婦を20年も続けた後、自分についてじっくり考えたり、一人の時間を持つのってやっぱり価値があると私も思いました。また共感する箇所も多々あるし、朝一緒にコーヒーを飲み、海辺の小さな町を散歩しているような気分にさせてくれます。




[映] Edge of Tomorrow / オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014)リセットとレベルアップ

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トムクルーズの新作映画であるEdge of Tomorrow、もちろん見てきました(いつものように一人で)。
前回書いた感想のGroundhog Day「恋はデジャ・ブ」と大筋でかぶります。永遠にくり返される今日と、そこからの脱出です。

タイトル:Edge of Tomorrow / オール・ユー・ニード・イズ・キル
監督:ダグ・リーマン
原作:桜坂洋
出演:トム・クルーズ、エミリー・ブラント他
上映時間:1時間53分
公開日:2014年6月6日(アメリカ)7月4日(日本)

Live, Die, Repeat. "Come find me when you wake up"

評判も上々なだけあって面白かったです。原作は桜坂洋さんで、オリジナルは日本のライトノベルだそうです。
そのせいなのかどうなのか、展開には馴染みがあり、RPゲームを映画で見ている感じかな。リアル・マリオみたいな。というと「うーん、、」と躊躇する方もいるかもしれませんが、ストーリーはしっかりとしているし、安っぽくない見応えあるSiFi映画でした。

何と言っても監督はボーン・アイデンティティやミスター&ミセス・スミスのダグ・リーマンですから、アクション展開で息をつかせません。

舞台は謎のエイリアン(Mimics)が蔓延る近未来のヨーロッパ。防衛軍士官のケージ(トム・クルーズ)は、戦場での経験もなければ訓練もされてはいないペーパー軍人ですが、最前線の部隊に入れられてしまうのね。ここに送り込まれる→エイリアンとのバトル→死ぬ→再び送り込まれた日に戻る、を永遠に繰り返すことになります。

最初はもたもたした兵隊なんですが、何度も何度も何度も何度も死んでは生き返りをくり返すわけですから、同じ戦場バトルでだんだん強くなっていきます。

コンピューターゲームで、最初は簡単にやられるけど、最後には別人のように強くなってますよね。ちょうどあんな感じです。トム・クルーズのボケっぷりが随所随所に組み込まれていて意外と笑えます。



運命共同体、相方役リタはエミリー・ブラントで、情け容赦ない女戦士。無限ループの現状に気がついているのは、ケージとこのリタ(ともう一人いますが)だけ。

毎日毎日戦場でエイリアンに嬲り殺される。うんざりしても絶望しても、死んでも生まれ変わってしまうわけですから、抜け出す道はありませんよね、一つしか。エイリアンをやっつけるしかないのです。

永遠に続く今日という日だけれども、毎日、一歩でもいいから前に進み、技術を身につけ、強くなり、何かを学ぶ。ケージに残された道はそれしかないし、それをしなければ、無限という魔物の飼い殺し。永劫回帰。永遠に脱出不可能な拷問檻でしかない。

このようなループ系映画って、つまるところ私たちも同じようなものだと、気がつかせてくれるから面白いのですよね。

365日を送るのも、同じ日を365回くり返すのも、同じですものね。要は自分が変わらなければ、何度繰り返しても同じ。何も変わらないというわけです。

わかっちゃいるけど、私なんてもう何年同じ日を生きているのだろうか・・・。抜け出す気もないのも事実だが。。



オーディオブックで洋書、の場合

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私は活字が大好きなのでついつい読書ばかりしてしまうけれど、英語の魅力というのはやっぱり音にこそあるわけで、オーディオブックも並行して聴くようにしている。

読む方は毎月2〜3冊はこなすようにしていますが、オーディオブックも理想は同じ量です。現状はCD7〜8枚で収まっている本を月2冊分ほどです。時間にしては毎日30〜40分くらいですか。でも習慣にするまで大変なんですよね。読書の場合はむらがあって、気に入ると何時間でも読んでいますが、オーディオはそうもいかないので時間を決めてます。

オーディオブックは本を読むよりも飽きやすいのが難点。人は視覚からの情報が圧倒的といいますが、オーディオブックなど聴いてると目が退屈し始めて気が散ってしまう。だからって目をつむると寝てしまう。何かしながらだと今度は聞き逃す。聞き逃すと戻れないのでうやむやのまま進んでしまい、興味が薄れ飽きる。意外と難しい。

読書で最近感じているのが、量をこなせている時というのはいわゆる時間がある時ではなく、むしろ忙しいくらいの時で、「読書時間」などをもうけるよりも、お湯が沸くまでの10分とか、人を待ってる20分とか、隙間読みを中心にしている時の方がたくさん読んでいる。つまみ食いで太るみたいな感じです。

オーディオブックでもそれをすればいいのかと思うのだけど、先に書いたように、何かをしている時に聴いてもあまり頭に入って来ない。だからと言ってじっと聴いていると眠くなる。

結果一番いいと思ったのは、一度読んで面白かったと思う本のオーディオ版を聴くこと。だらだらと先が見えないのも退屈する理由の一つなので、内容やらストーリー展開が分っていると意外と飽きない。復習の形になるので理解度が深まり、記憶に残る。読書の段階で調べた単語の発音の確認と暗記につながる。などなど利点がたくさん。また、文章として読むのと、音で聴くのでは、印象が違うこともあって面白いです。

今聴いているのは、先日読み終えたばかりでとても面白かった
Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe
その他に、今月はスクリプトが大好きだったSilver Linings Playbookも聴いている。

読んだ本の映画版を見るのはあまり好きではないのですが(逆もまた然り)、読んだ本をオーディオブックで聴きなおすのはとてもおすすめです。

**ただオーディオブックは洋書よりも高価です。
こちらのサイト→Lit2Go
(日本からも見れるといいけれど)は、商業用ではない大学のサイトで、クラッシックなものばかりですが、かなりの量の本とオーディオが全て無料で、スマホなどにダウンロード出来ますし、文章もついています。特にレベルごと(Readabilityをクリックする)で選べるのでおすすめです。



[映] Groundhog Day「恋はデジャブ」(1993) 永遠の今日

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タイトル:Groundhog Day /「恋はデジャブ」(1993)
監督:ハロルド・ライミス
出演:ビル・マーレイ、アンディ・マクダウェル
制作:コロンビア
公開日:1993年

先日リチャード ・カーティスの"About Time"見てたんですけど、見ながら昔見た"Groundhog Day"ばかり思い出していて、そっちの方が見たくなっちゃってムズムズしていた。速攻で借りた。

"About Time"も面白かったですよ。
タイムトラベルものとしてはめちゃくちゃだけど、
「もし好きな時、好きなだけ人生をやりなおせるとしたら・・」と考えるのはすごく楽しいし、時間がいくらでもあると思うのも素敵だし、それでも結局人って似たようなエンディングを選ぶのではないかと私も思う。


で、"Groundhog Day"。
「恋はデジャ・ブ」みたいなあまり引かれないラブコメ系の邦題をつけられてしまったために認知度がイマイチですが名作です。おすすめ。


グラウンドホッグとは、大型のリスというか小型のビーバーというかそんな感じの動物です。そのグラウンドホッグを中心に、毎年2月2日に春の訪れを予想する田舎風の可愛らしい(つまり地味な)伝統行事がグラウンドホッグデー。

お天気キャスターのフィル(ビル・マーレイ)は、このイベントを報道するために新人プロデューサーのリタ(アンディ・マクダウェル)と、カメラマンの3人で、グラウンドホッグデーで有名なペンシルバニアのとある田舎町に訪れています。

無事イベントの取材も終えて街に戻ろうとするのですが、天候の悪化で道路が閉鎖。やむなくホテルに引き返しもう一泊することに。

ところが翌朝目覚めると、再びグラウンドホッグデーの朝なのです。ここからフィルは永遠にグラウンドホッグ・デーを繰り返すことになります。

起きると毎朝同じグラウンドホッグ・デー。道で出会う人、店にいる人、通る車、イベントに集まる人、きっちり同じ時間に、同じ人がそこにいて、同じ事件が起きる。そして毎朝同じ取材。淡々とした繰り返しに、見ているこちらもうんざりしてきます。ただでさえこのイベントにうんざりしているフィルは、この無限の一日から脱するためにいろんな試みをします。

フィルの心理変化が面白い。思い詰めて自殺を計ったり、開き直って楽しんだり。最終的には、時間なんていくらあっても、自分のためには何をしても空しいということ、意義があるのは芸術性を高め、学べることは可能な限り学び、人のために行動することで始めて人生は満たされるのだということを教えてくれる。

そして、無限の毎日とは、実は私たちの日々の生活のことでもあるわけです。時間なんて本来は存在せず、人は毎日、今日という日しか生きられない。つまり私たちも、毎日グラウンドホッグデーを繰り返しているようなもの。今日は人生そのものだし、覚醒すれば、同じ一日でもここまで完成されるものなのね。

ラストのフィルのように、永遠にグラウンドホッグ・デーが続くように願えて始めて、世界は本来の輝きを見せるのかもしれませんんねー。




192冊目 Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe 宇宙の秘密を解く友情

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Title: Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe
Author: Benjamin Alire Sáenz
Publisher: Simon & Schuster Books
Publication date: 2012
ISBN-13: 9781442408920
Format: Hardcover
Pages: 359pages

主人公は15歳のメキシカンアメリカンの少年で、マイノリティ、思春期、チカーノアイデンティティなどのテーマから全然期待しないで読んだのですが、これがもの凄くよくて、ぐいぐいと引き込まれて止らない。一言も逃すまいと目を爛々とさせながら二日で読み切りました。

先日読んだ同じ43歳主婦の本にはまったく共感出来なかったのに、こちらの15歳のメキシコ系アメリカ人の少年にここまでどっぷり共感出来るとは夢にも思わなかった我ながら驚きの一冊。

One summer night I fell asleep, hoping the world would be different when I woke. In the morning, when I opened my eyes, the world was the same. I threw off the sheets and lay there as the heat poured in through my open window.
My hand reached for the dial on the radio. “Alone” was playing. Crap, “Alone,” a song by a group called Heart. Not my favorite song. Not my favorite group. Not my favorite topic. “You don’t know how long...”
I was fifteen.
I was bored.
I was miserable.
As far as I was concerned, the sun could have melted the blue right off the sky. Then the sky could be as miserable as I was.
[Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe]


主人公の少年Ari(Aristotle)は、メキシカンアメリカンの15歳の少年。時代はハートの"アローン"が流行っている1987年(ちなみに私は同世代)の夏。場所はメキシコ移民の多いテキサス州のエルパソ。

Aristotleアリストテレスという変わった名を持つ少年らしくない少年が、15歳の夏にDanteダンテという変わった名を持つ誰にでも好かれる少年に出会う。そして世界が変わる。

Ariにはベトナム戦争から戻って以来人が変わった父親と、教師をしている母親、年の離れた姉妹と、そして家族のタブーとなっている刑務所にいる兄がいる。Ariは一人が好きで、抱え込むタイプで、友達もつくらず自己完結する少年なんだけれど、Danteは真逆で、自分を晒すことを恐れず、優しさや弱さも全開の少年で、でも別の意味で孤独なの。

性格は違っても、二人はどこにも属していない寂しさをお互いで埋めて行くのね。そしてこの二人の少年の友情が思春期を境に変化していくわけだけど、この変化は一般的には受け入れられるものではなく、家族を巻き込み新しい世界へと向うのね。

若葉色の思春期とはかけ離れた、(メキシカンアメリカンやら特別な問題で)アイデンティティの面で言えばグラグラと揺れ動く砂漠と雨に属した少年たち。でもそれはとても美しく繊細で、それでいて強力なの。宇宙の秘密を解くほどに。

とってもいいです。英語の点から言ってもヤングアダルトなので難しい単語はなく、おまけにリズムがあるので流れるようにスルスル読めてしまいます。チャプターごとは短いし、ページターナー。お子さんにも進められるかというと、家庭によってはNGな家庭もあるかもですが。。。個人的には超おすすめ。

*オマケ*
小説冒頭に出てくるHeartのAlone。流行ったよねー。
当時何度このビデオを見たことでしょう。アルバム持ってましたよ。



[映] Maleficent/マレフィセント(2014) 魔女の言い分

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タイトル:Maleficent /マレフィセント(2014)
監督:ロバート・ストロンバーグ
出演:アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、イメルダ・ストーントン他
上映時間:1時間38分

見てきました。ディズニーだから当然なんだけどお子様率高し。久々にポップコーンが飛び交う中での鑑賞。

展開が読めてしまうのと、ディズニーでまたこのパターンかということでちょっと面白みに欠けましたけど、映像的には綺麗だったし(3Dで楽しんだ)、笑える場面もそこそこあるし短めの映画なので飽きずには楽しめました。

タイトルでもあるマレフィセントは、「眠れる森の美女」に登場する有名なこちらの方。マレフィセントとは魔女のお名前。アンジェリーナ・ジョリーがぴったりでした。翼と角が似合うこと似合うこと。
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王様のもとに待望の赤ちゃんが生まれ、妖精達も駆けつけて幸せのおまじないを次々と贈っているその時、突然現れるあの魔女。「16歳の誕生日の日没までに、糸車の針で死ぬのじゃ〜」と呪いをかけて去っていくあのお方。

あの魔女の憎しみと恨みと怒りがどこから来たのかというね。

そりゃ怒るわ、みたいな話ですよ。私でも同じことするわ。



本来の「眠れる森の美女」では、まだ贈り物をしていなかった最後の妖精が慌てて「でも本当の愛のキスで目覚める」と付け足すのですが、映画ではこれはアンジーが自分で言うのね。本当の愛なんて存在しないという確信があるから。愛と野心と裏切り、そして復讐と後悔。なんともビターなディズニー映画ですが、ラストは別の形のハッピーエンド。

愛たっぷりの少女アローラ役は、"Somewhere" や"We Bought a Zoo"のエル・ファニング。今ちょうど16歳くらいだけど、背が大きくなるわりには顔と雰囲気が11〜12歳頃から全然変わらないって凄くないですか。

しかし最近のディズニーは従来の「王子様に救出されるプリンセス」の設定をことごとく壊しにかかってますね。最近の女の子たちがこの「昔ながらの王子さまを待つプリンセス」に憧れを抱かないのは当然の傾向かもしれません。女子の方が強いですもんね。

来春には実写版シンデレラがディズニー映画で公開される予定でそれも楽しみなんですが、そちらも王子離れな展開になりそうですね。




191冊目"Tempting Fate" 四十路主婦とミッドライフクライシス

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Title: Tempting Fate
Author: Jane Green
Publisher: St. Martin's Press
Publication date: March 25, 2014(US)
ISBN-13: 978-0312591847
Format: Hardcover
Pages: 352 pages

Jane Greenさんはイギリスの方らしいですけど、アメリカでも人気があります。特に夏になると彼女の本がサマーリーディング、ビーチでの軽い読み物にどうぞと並びますね。

Chick lit系の現代女性向けで読みやすいものを得意とする方で、こちらの"Tempting Fate"も、ハーレクインロマンスばりの主婦の妄想本のようになっていますが、出産適齢期や夫婦の問題、女友達との向き合い方などをさらっと取り入れるところがこの方の上手いところでしょうか。

Gabby and Elliott have been happily married for eighteen years. They have two teenaged daughters. They have built a life together. Forty-three year old Gabby is the last person to have an affair. She can’t relate to the way her friends desperately try to cling to the beauty and allure of their younger years. And yet, she too knows her youth is quickly slipping away. She could never imagine how good it would feel to have a handsome younger man show interest in her—until the night it happens.



主人公Gabbyは43歳。ちょっと太め(サイズ10↑らしいので)でマーシャルズ(量販店)で服を買うどこにでもいる普通の専業主婦。難しい年頃だけども可愛い娘が二人。旦那さんはお医者さんで、結婚18年経っても奥さん一筋で優しくて家庭的。金銭的にも精神的にも完璧な生活を送っています。唯一の不満は、Gabbyは三人目の子供が欲しかったんだけど、旦那さんの希望で二人で終わらせたこと。そのことに関してだけ、Gabbyは根に持っているのね。
さてある夜、バーの女子会で偶然知り合いになったのが、うんと若くてハンサムでITベンチャーの成功者Matt。このゴージャスな彼に、Gabbyはメロメロに「惚れられて」しまうんだけど・・・

という、半分口あんぐりでありえない主婦の妄想のような展開が続いていき、話はここで終わらずもっとすごいことになっていきます。乙女の妄想と違い、主婦の妄想はそこまで行くか!みたいな(笑)。そうかそうか本当の王子様はそこまで行かなきゃ出会えませんか。ともう半分呆れますけど、面白いですよ(笑)。

英語もとても簡単で読みやすく辞書いらず系。ミッドライフクライシスな40代主婦なら馴染みがあって面白いでしょう。ただ日本の主婦で主人公にどこまで共感出来るか・・・私はほぼ共感できなかった。でも読み物としてはいい。それに最終的には応援したくなった。中年の危機でも築き上げたものをぶち壊す勇気は大したものだし、どうであれツケは払う覚悟でいるんだし。
それこそ夏の午後、アイスティーのお伴にちょうどいい読み物ではないでしょうか。