”The Personal MBA”でおなじみの方です。モチベ上げ系の本です。

マルコム・グラッドウェルの"Outliers"で有名になった「1万時間ルール」ってありますよね。何でも1万時間取り組めば、誰でも世界一流のレベルになれるってあれ。こちらはその逆をついた本で、「何でも最初の20時間でそこそこのレベルまでいける」法則を紹介しています。

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Title: The First 20 Hours ~How to Learn Anything…FAST!
Author: Josh Kaufman
Publisher:Portfolio Hardcover
Format: Hardcover
Publication date: June 13, 2013 (Paperback edition May 27, 2014)
Pages: 288 pages

新しいことを始めたいが時間がない。仕事で急遽新しいスキルが必要となった。やってみたいと思ってるけどなかなかスタート出来ない。
でもそもそもどれくらい時間をかければいいのか。どこまで上達出来るのか。始めたはいいが続かないかもしれない。著者はこの取り組む前の精神的バリアが一番の問題だといいます。

また、たっぷり時間をかければなんでも一流レベルに達するかもしれないけど、そのためにはそこそこ出来ないと面白くない。ピアノでもゴルフでも語学でも、つっかえてばかりいたら嫌になります。面白くないから続かない。大事なことは、「さっさとある程度のレベルまでいっちゃうこと」。

著者は学習の伸び方にも注目している。
学び始めの成長率は、それ以降とは比較にならない。この「超成長期」を利用しようというわけです。

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ちょwグラフ雑。ほんとかよ!

まあそこは置いておいて、この「急激に伸びる」超成長期(つまり伸び止る直前まで)、一体どれくらいの時間がかかるのか。

「20時間」

と著者は言います。

20時間で、「何でも」「そこそこのレベル」に達することが出来るというがこちらの本のテーマですね。もちろんただダラダラと20時間取り組めばいいというわけではなく、集中度や最初の段取り(ゴール設定を含む)がとても大切。本では具体的な10のポイントと、それぞれに細かいアドバイスを提示。

アイデアはとても面白いです。本も軽くて読みやすく、モチベ上げにはいいと思います。一方でアイデアだけって感じもしないでもなく(これはTED系本には共通して言える事なんだけど)。

最初の40ページは一気読みさせるほど面白いです。でもそれ以降は著者が挑戦したことの具体例(ウクレレ、プログラミング、碁、ウィンドサーフィン)の話になり、またこの話があまり最初の10のポイントとリンクしていないので、本当に「Anything」なのだろうかと疑問が。例えば語学とかはどうなのだろう、とかね。

趣味系にはいいと思う。料理とか、スポーツとか、楽器とか。私はタイ料理とギターに興味があるなあ。ただそういう趣味系なら、それこそカルチャースクールに行っちゃった方が早いと思う・・・。きちんとプログラムがあるので何時間かでマスター出来るようになってるし、意外と安上がりだし(必要なものを貸してくれたりするし)、仲間も出来て続くんじゃないか・・・とか・・・。

もちろんカルチャースクールがいつでも何でもあるとは限らないし、自分で自分だけのゴールを決めて、好きな時に始められるのは魅力ですね。モチベ上げにはなるので、それ系が好きな人にはいいかも。

20時間でそこそこのゴールを決めて進むのはとてもいいと思う。時間だけかけてもまったく進歩しないという人も多いので、「量」ではなく、「質」と「時間」に注目し、内省しながらもさっさと進み、ある程度マスターしちゃえ!というのはいいアイデアでしょう。

つくづく語学でも何か挑戦してみて欲しかったわ(著者は中国語を学ぶことも考えたけど、興味が持てないので止めたとさりげなく逃げてるのよねえ)。
それでも英語は簡単なのでスラスラ読めるし、何か挑戦してみたくなる元気の出る本です。


ウディアレンの新作です。毎回これが最後かと気を引き締めて劇場に向うも、次から次へ新作が出る。いつまでも元気で映画を撮り続けるウディ・アレンに乾杯。
しかし一方で観客はどんどん年を取ってます。ニューヨークでウディ・アレン映画を見に行くと、本当に、文字通り、まわりは杖をついたお年寄りだらけなんですよ!

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タイトル:Magic in the Moonlight / マジック・イン・ザ・ムーンライト
監督:ウディ・アレン
出演:コリン・ファース、エマ・ストーン
公開日:2014年7月25日(US)

時は1928年。
イギリス人のスタンリー(コリン・ファース)は、中国人マジシャン、ウェイ・リン・スーとして世界的に成功している。

ある時友人に誘われて、「不思議な力」を持つ、ソフィー(エマ・ストーン)に会いに行く。彼女は死んだ人とコミュニケート出来たり、持ち物に触るだけでその人の過去を当てる能力を持っている「らしい」。

自ら観客を騙すイリュージョニストのスタンリーは、彼女のトリックを暴くために南フランスへと向う。
誰にもマネ出来ない奇跡の才能、周りの人々はみな魅了され、陶酔していきます。さてこの娘、本物なのか、詐欺師なのか・・・
 

ジャスミンとかマッチポイント系のドラマ性が高い作品ではなく、スクープやローマのようなこじんまりしたドタバタコメディの方です。

マジック、イリュージョン、喜劇、ハッピーエンディングと、ウディアレンらしいいつもの仕上がりに加え、ラブロマンスなのに主演がコリン・ファースという。40代以上にターゲットを絞った作品かもしれません。

私はもともとウディ・アレンのドタバタ系が好きなので、今回も普通に楽しみました(コリン・ファースもBBCのPride and Prejudice以来好き)。舞台はいつもの通り美しく(南フランス)、音楽もクレジットもいつものように品がよく。

コリン・ファースの甲高い慌てた声も、ウディ・アレンの話し方と何となく似ているし、とても自然。エマ・ストーンのコメディ性もきちんと収まっています。脇役はHBOドラマ「Newsroom」の実力派の面々が固めています。会話も楽しく、他の観客(主に高齢な奥様たち)もコロコロよく笑っていました。

一方でもう少し捻りがあると良かったなあとも思います。またタイトルが、「マジック・イン・ザ・ムーンライト」と、とてつもなくロマンチックなので、もうちょっと幻想的なシーンも期待してた分ちょっと肩すかし。

それでもまあウディ・アレン映画好きなら見て損はないと思います。エマ・ストーンは次のウディ・アレン映画にも出演が決まっていますし、来年も再来年も長生きして映画を撮り続けていて欲しいですな。

★★★
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Title: I SEE YOU MADE AN EFFORT
~Compliments, Indignities, and Survival Stories from the Edge of 50~
Author: Annabelle Gurwitch
Publisher: Blue Rider Press
Publication date: March 6, 2014
ISBN-13: 978-0399166181
Format: Hardcover
Pages: 256 pages

夏休みですっかり活字離れしてしまいました。旅行中も通して読んだ本はこのエッセイ1冊だけという・・・。

Forty is the new thirty? I've heard that many times and I've said it just as often. Interestingly, the saying "Fifty is the new forty" has never really caught on because it's not. Fifty is still fifty.
Fucking fifty.



中年女性が年齢を憂い、半ば焼けっぱちでユーモアたっぷりで書かれたエッセイって結構ありますけど、こちらもそんな一冊。
作者はざっくり言えば「業界の人」でしょうか。テレビ番組のホストをしたり、番組作りに参加したり、本を書いたりしながら旦那さまとお子さんとロサンゼルスに住んでいます。50代に入った自分を受け入れようと頑張ったり、抵抗したり、友人と慰めあったり。機転の利いたユーモアって感じではないけれど、ニヤニヤしながら楽しめる本ではあります。

個人的にも最近50代に興味深々なんですよ。
40代は想像出来たし、実際今40代に入り違和感もなく生きていますが、50代が想像出来ないのです。日本でも美魔女とか、最近の40代は頑張ればまだ女性でいられるように思うのですが、ハテ50代は・・・。作者が言うように、50は50なのかしら。そして出てくるこの台詞。

Dear God.
Please let me still be fuckable at fifty.



結局はこれよね。
女として見てもらえるかどうかが全てのような。
昔フランソワーズ・サガンが、「恐れているのは、外出してもそれがけっしてアバンチュールでなくなることです」とどこかで書いていて、当時私なんてまだ10代だったと思うのですが、大きくウンウンうなずいたものです。
別にいつでもどこでも男性と艶っぽい視線を交わしていたいわけではないけれど、男女の可能性が(というか可能性すら)「まったくなくなる人生」って、何てつまらないのだろうと、10代でも思ったわけです。

まあでも50代の方のブログを読んでいると、みなさんまだまだって感じだったり、女盛り満開で楽しんでいる方もいるし、私も結局は今とたいして変わらず進んでいくのでしょう。てかそもそも今だってアバンチュールないじゃん、みたいな。
軽めの読みものです。年齢的に健康や病気の話も出てきますがご愛嬌。英語は簡単ですが俗語は多いです。

2014.08.07 夏は夜。
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日が少しずつ短くなってはいるものの、日没はまだ8時くらいでしょうか。
でも夏の夜は野外イベントが多くて楽しい。
NYでは、ブライアントパークで白黒のオードリヘップバーンの映画を見たり、ハドソンリバー沿いでカヤックをした後ビールを飲んでコンサートを聴いたり。全部無料だった。

今は、近所でクラシックコンサートや、シェイクスピアの芝居が期間中やはり無料で上演。バレエやダンスの上演もある。

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大人向けのイベントという感じがいい。
日本も夏の公園やら広場で、無料のイベントは多いと思うけど、屋台が出たり、照明が明る過ぎたり、お子様っぽいのが多くて残念。夏の夜を大人がしっとり楽しめるイベントが増えるといいのに。

夏の夜と言えば、忘れちゃならないナイター。
今年は何回行ったのだろう。今年弱いから安くて。週末はヤンキース戦の一塁側内野席がいつもの半額だったので通った。でもやっぱり負けるから意味ないんだけど。ホットドックとビール飲む、夏の夜のイベントということで・・・
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朝夕はすっかり涼しくなった今日この頃ですが、夏が終わると寂しいのでまだまだ頑張れよー太陽。

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これはうちの太陽。
夏はやっぱりヒマワリ。部屋がパッとする。



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朝一番、誰もいない農園。
朝露したたるブルーベリー。
鳥の鳴き声。
クセになる気持ちよさっす。

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近くに木々が多いので森林浴効果もある。
朝食前に、もくもくと朝の農作業。

夫と二人で3〜4キロ摘みます。
でも一週間で食べ終わるので、また週末行く。好循環。
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基本は生食とスムージーで使い果たしますが、たまに焼くパイ。
こちらは先日作ったアメリカンチェリーのコンポートと一緒に。
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月曜日になったら、のんびりジャムでも作ろうかな。
一緒にパンを焼くのもいいよねー。



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1912年4月14日深夜から翌日未明。1万人以上の男達が、かかりっきりで3年もかけて完成させた世にも美しい豪華客船は、たった5日の航海で冷たい海に沈んでいったのでした。

100年の歳月を得て、当時の姿をちらっと垣間みてきました。復元された大階段(映画でディカプリオがタキシード姿で立っていた場所)や客室(ファースト&三等クラス)、遺品、海底から引き上げられた船体の一部など見どころたくさんです。私一人で行ったのですが、この展示は一人客率高し。華やかな船内の様子から、夜のデッキ、沈没の様子へと流れる展示です。

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「大階段」*撮影禁止なのでお借り画像です

先日のラスベガス旅行で行ってきました。場所ルクソールホテルです。ルクソールってちょっと離れているので面倒なんですけど、これだけのために足を延ばす価値ありなので、観光で行かれた方はぜひ。入場料を正確に覚えてないのですが32ドルだったかな。

タイタニックの沈没は歴史的な悲劇ではあるのですが、その豪華さと数々の伝説から、世界中の人々を引きつけて止まないものがあります。

大型豪華客船最盛期の当時、世界最大で最高の贅沢を尽くしたタイタニック。かなりの裕福層も犠牲となったのは、救命ボートが女性子供優先だったためと言われていますが、右側か左側かでチェックがゆるい場所もあったそうです。
乗員・乗客数2223人強。生存者約700名、死者約1500名。

1912年4月10日、イギリス南部のサウサンプトンを出船し、7日後の17日にニューヨークに着く予定でした。一週間の船の料金は、一般ファーストクラスで4300ドル(現在の日本円で500万強)、二つのスイートルームは現日本円で1千万以上。三等クラスは40ドル(現在の日本円で9万くらい)です。

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「ファースト客室」*撮影禁止なのでお借り画像です

犠牲者の多くが三等クラスの乗客とも言われ、映画などの印象からか、三等はひどいのかなあと思っていたのですが、実際は料金もそこそこするし、復元された客室や使われた食器などからも、当時としてはまあまあなレベルだったのが伺えます(それでも三等では、700人の乗客に対してバスタブは二つだったそうです。ただ昔ですし、真夏でもない限りバスを使わない人は結構いたと思われます)。

ファーストと三等のコーヒーカップやお皿などは、ホワイトスターラインの名入りで復元されてお土産コーナーでも売られていました。個人的には三等のマグカップの方がコロンと可愛らしく気に入った。気持ち的に買えなかったですけど。

海底から運び出された船体の一部は圧巻。ハンドクラフトの装飾からも、丁寧な仕事が100年経ってもわかるほどです。

乗客者の歴史や写真、最後の言葉なども残されています。乗る前から不安を告げていた人、旦那さんと船に残ることを選んだ女性。別の船の2等に乗るはずだったのに、タイタニックの3等へとチケットを変えた人。最後に乗員乗客全員の名前全員が、生存者、死亡者別にがパネルで飾られています。

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入場前に渡されるチケットは、タイタニック乗船券となっていて、実際の乗客の誰かしらの名前が書かれています。もちろんみんな生存者の名前からなのですがね。私のカードは3等クラスに乗った24歳の女性でした。ミシガンに住む旦那さんの元に、子供を二人つれてニューヨークに向う途中だったみたいです。無事で良かったです。

一つ残念なのが、ディナーの様子を復元して欲しかったというか、テーブルディスプレイが欲しかった。だってタイタニックの豪華な食事って有名ですもん。コースのメニューも残っているんだし、目に見えて並ぶと華となっていいと思うんだけどな。食品サンプルと言えば日本の技術が素晴らしいですし、レストランなどのディスプレイ用の食品模型を作っている業者さん、ルクソールに営業かけてみません?



2時間45分、何一つこれといった事件は起きない映画なのに、魅入ってしまいました、これが。

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20年近い歳月をかけて作られたイーサン・ホークの「Beforeシリーズ」の大ファンである私は、こちらの映画もイーサンホークが父親役で出演していて「12年かけて作られた」という話だけで喜んで見に行ったんですよ。

期待して見にいったのに、予想以上に良かったという完成度の高い作品。
まず「Before〜」と違って、こちらは12年の歳月が1本の映画におさめられています。

一人の少年の、5、6歳から18歳くらいまでの成長を、映画というドラマを通して見守るわけです。すごいですよこれ。男の子って、こうも変わるのかと。主役の男の子もいたって普通の子なので、思春期のモッサリ感もあっていいわー。ちなみにお姉ちゃんもいるんだけど、いい味出てて、この子の成長も目を見張る。



舞台はテキサスなんですけどね。父親であるイーサンホークは、いわゆるヒッピータイプのミュージシャンで、いい人なんだけど責任感も自覚もないのね。夫婦は離婚をしているけど、定期的に子供たちには会っているの。
母親役はパトリシア・アークエット。二人の子供を一人で育てている。

この映画の凄いところの一つは、アメリカの全てが描かれているところでもあるんですよ。

まず母親は子供を抱えたまま大学に入り直す。そして通っている大学の教授の一人と再婚。再婚相手にも子供がいるので、主人公の少年は、ステップファザー、ステップブラザー&シスターと暮らす。

ステップファザーは、実はアル中で、どんどんひどくなるのね。そして逃亡。母親もここでいき詰まるんだけど、なんとか学位も得て、「より良い暮らし」に向けて一歩進むのね。

度重なる移動、引越し。子供のプレゼントの「聖書」と「銃」。教会。草木も生えず何もない延々と続く道。さびれたガスステーション。風景のように現れては消える親友。たくさんの矛盾を抱えながらも、「ベターライフ」と「アチーブ」を求めて、シングルマザーが、移民が、やり直しが出来る国。

少年が成長し、大学の寮に入るので家を出るシーンがあるのですが、これもいいです。経済的にも負担なので、子供を育てた家を売って、小さなアパートに一人移る母。荷物をまとめる息子。
ここで母は絶望的な気分になって泣くの。何ってわけじゃないけど、子育ての先に何かもっとあるんじゃないかと頑張ってきたのに、あんなに苦労して育てて、こんなにもあっさり子供が育って離れていってしまうことに、「なんだったのよ」みたいなね。Boyhoodの終わりは、Motherhoodの終わりも意味します。

母親の苦労を一緒に見てきた観客にも痛みが伝わってくる。
たぶん賢者が言うように、人生ってどれをとっても何一つ意味なんて無いのでしょう。でもそれはおそらく、一生懸命何かに取り組んだ人だけが悟れる世界。意味がないと始めから何もしなかった人には悟りもない。苦労や努力は、おそらく人生を終える時、自分の時間を終了する時、生きた明しとして、自分を満足させてくれるでしょう。
そう時間なのです。
この映画が告げるのは、時間の圧倒的な重み。

映画が始まって間もなく、何年という表記はないけれど、シェリル・クロウのSoak Up The Sunが流れてくる。ああ2002年だ。私がハワイのカイルアビーチで彼女の歌を何度も何度も聴いた年だ。なんてピッタリな曲だったんだろう。あの夏からもう12年の歳月が流れたのだ。作られた演出ではないから、時の経過がリアルに迫って来て凄いのね。

少年は数々の女の子とも付き合うけれど、最後にソウルメイトと呼べそうな心の繋がりを持った少女と出会うところで映画は終わる。さようなら少年時代の自分。二度と戻らない日々。

とにかく大袈裟なことは何も起きず、淡々と一人の男の子の少年時代が描かれているだけなんだけど、いろんな思いがよぎり、考えさせられ、時間を感じた。イーサン・ホークもまたまた良かった。

★★★★


おまけ。ハワイのみなさまお元気でしょうか。
Sheryl Crow - Soak Up The Sun