過ぎ去りしdays
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koburii

Author:koburii
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国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦。



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クリスマス・プレッツェル


教会のクリスマスポットラックでリクエストされたので作ったキャンディケーンのプレッツェル。この時期どこにでも売ってますが、簡単に作れるので大量に入り用な時はホームメイドがお得。

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材料はプレッツェル、チョコ、キャンディーケーンのみ!
プレッツェルを溶かしたホワイトチョコでコーティングして、砕いたキャンディーケーンを振りかけるだけ.

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ペパーミントとチョコの組み合わせも、赤と白の色合いも、クリスマスっぽくて楽しいお菓子です。

メリークリスマス!



[映画] Hobbit: The Battle of of the Five Armies

移動生活とパーティーと忘年会まで重なって、私には珍しく慌ただしい毎日であっぷあっぷしてるところですが、それでもこれだけは見ねばならぬ。ホビット最終章。

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最終編のパート3を見終わって。
やっぱりちょっと思うところはあったかな。

面白いのは面白いです。
ハラハラドキドキしたし、泣きました。
それに俳優のレベルも凄いし、ファンタジー映画大好き人間としては映像の美しさから完成度までや、他の映画と比べると段違いなので、お金払って映画館で見て良かったと思います。

でも何だろう。LOTRと比べて劣るのはまあ仕方ないとしても。

たぶんやっぱりホビットは、そもそも子供向けの本だからだと思います。
子供向けの本で、しかも全編で300ページ足らず。三部作もあるLOTRの一冊にも満たない量じゃないですか。それでLOTRのようなダークな大人向けで、三部作映画にしたわけだから、そもそも無理は承知なんでしょうね。バトルにしても、冒険にしても、本来はもっと子供向けのはずですしね。

またLOTRでは、善と悪の戦いという明確な軸があったけれども、ホビットって最後はお金の山を前に分け前争いみたいになるじゃなですか。子供向け本だからそれはそれでいいと思うのね。子供向け冒険映画にお宝はつきものだから。ただピータージャクソン映画だと、戦いシーンがダークだし、犠牲者いっぱい出るし、軍隊とかも凄いからお宝争いのような雰囲気になっちゃうと、ちぐはぐ感がでるというか空しいというか。

もちろん最後は友情でまとまり、痛みを伴う愛の価値を伝え、お金よりも人間の絆の大切さや価値を教えてくれる、年末にご家族または愛する人と鑑賞するにはぴったりの映画です。

LOTRはDVDセットも買って何度も見ましたが、ホビットはたぶん買わない。でもHBOで放送してたら間違いなく喜んで見るという、私の中ではハリーポッター映画と同じような位置付けでしょうか。

あと”Five Armies”っていうけど、ドワーフ、エルフ、レイクタウンの人間、オーク、あとどの人達のことかと思ったけど、あれか、最後に登場するお方か。だってガンダルフは一人だからアーミーじゃないじゃない。やっぱり本もちゃんと読もう。で、最後のお方たちは毎回思うけど、もう少し早く来て頂けないものかしら。




203冊目 Safe Haven DV夫からの逃げ方

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Title: Safe Haven
Author: Nicholas Sparks
Publisher:Grand Central Publishing; Rep Mti edition
Publication date: 2012
ISBN-13: 978-1455523559
Format: Paperback
Pages: 368 pages

Love doesn't mean anything if you're not willing to make a commitment, and you have to think not only about what you want, but about what he wants. Not just now, but in the future.


ニコラススパークのロマンスですが、洋書カテではおっさんが読んでも面白いそうなので女性に限らず楽しめそうです。
夫が恐ろしいDVで、しかも警察だとしたらどうしましょう。警察も呼べない、誰に助けを求めていいのかもわからない、逃げるしかない。でも絶対必ず追っかけてきて殺されるかもしれないとしたら、、悪夢ですね。

主人公のKatieは、サウスポートという小さな田舎町に、わずかなお金だけ持ってやってきます。警官でDVの夫から逃れるため、住まいであるマサチューセッツからフィラデルフィア、ニューヨーク、ノースカロライナとバスで逃げ続けます。そしてその田舎町で、Alexという子持ちの男やもめと出会い、惹かれあい、少しずつ距離を縮めて行きますが、一方で夫のKevinも近づいていて・・・

あまり詳しくは書けないのですが、国際結婚をした友人の旦那さんが、このケビンのような人だったんですね。近くにいたので壮絶な話も聞いたし、ケイティのように、日本に逃げ帰ろうとして捕まり、監禁状態だったこともあります。暴力は絶対跡に残らないやり方でされていて、ある道具を使うので拷問に近いですよ。現在は無事離婚出来て、日本に帰って幸せに暮らしている彼女ですが、当時のことがトラウマになってしまい、今でも悪夢を見るそうです。

アメリカのように土地も家も広いと、家庭内暴力も発見されにくいので、本当にあちこちであるみたいです。既婚女性が行方不明になると、真っ先に旦那さんが疑われますし。

ケイティは旦那さんからお金も渡されず、田舎なのに車も持てず、友人も持てず、何からかにまで管理されているんですね。
(先の友人の話もまったく同じで、現金は一銭も渡されず、すべて小切手オンリーだから無駄なものは一切買えず、へそくりも出来なかった。そして田舎に住んで、出かけることも禁止されていました)
そして逃げだしても、警察ネットワークを持つ夫から追われるような状況で、どうやって新しい生活を築くのか。この過程がとても面白かった。

ところで、今朝テレビを見ていたらちょうど、離婚&再婚家庭の話で、家を出た母親が新しい奥さんに手紙を書いたり、上手く交流を持ち続けるってことをやっていた。全部子供達のためなんだけど、これってどうなんだろう。一般的には元妻さんからの話やアドバイスって、嫌っていうか耳をかさないと思うのね。
ケイティはとてもいい娘だから、素直に話を聴くのね。朝の番組でも、新参者のステップマザーが裏がなく素直そうだった。元妻をリスペクとすることで、間に入る子供が引き裂かれる感じも、気を使うこともなく平和そう。
でも私だったらどうかなあ。まあニコラススパークは感動する手紙を書くのが大得意なのね。あんな手紙だったらやっぱりホロリとしてしまうかな。

英語は読みやすく、ぐいぐい引き込まれる展開で本を置けずに一気に読めとても面白かったです。映像が浮かぶ展開は、いつものことながら読者を飽きさせません。

映画化もされていて、Netflixでストリーミングが出来たので見てみましたが、こちらはあまり好みではなく20分ほど見てやめてしまった。俳優のイメージが違ったのと、最初から行き当たりばったりで逃げて追われる映画のケイティは、我慢強く控えめで慎重に計画を練ってから賭に出る本のケイティのイメージとちょっと違うかなあと。



今年の漢字・クリスマス飾り

クリスマス今年の飾りです。
こちらはこちらでって感じなのでちょっと質素。

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写真を撮った時、テレビでちょうどクリスマスらしい「34丁目の奇跡」放送中だった。
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引き続き一週間毎に移動があるのでツリーは諦めました。枯れちゃうとかわいそうなのでね。週末は毎週夫婦同伴でクリスマスパーティーがこちらと向こうで交互にあります。ポインセチアは一緒に移動というか連れて動いてます。来年以降は移動の回数がぐんと減る予定だけどどうなることやら。

今年の日本を表す漢字は「税」だそう。拍子抜け。そのまんま過ぎて面白くない。わたしの勝手な憶測は「虚」だったんだけどなあ。張りぼてっぽいものがたくさん湧いてましたよね。

一応毎年恒例の我が家の漢字。今年は「浮」です。地に足がついていない、その上漂ってすらいない。まさに、「ただ浮いてる」感じ。いいのかこんなんで。しかしこの浮いている状態も場所も意外と居心地がよく、ちょっと戸惑っている。いいのだろうか、、、。

今年のツリー、お外編。
まずはニューヨーク。ロックフェラーセンター前で。
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メーシーズの前やらウィンドウディスプレイ。
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ライブラリーのライオン
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そしてこちらはボストン。
クインシーマーケット内のツリーはロックフェラーセンターより大きくないか?
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そうそうクインシーマーケットにギラデリがオープンしたんですよね。チョコファッジサンデーすごい久しぶり!あれは何年前だろう。サンフランシスコの本店で食べた以来です。感激!冷たいアイスにホットチョコレートがかかりとろとろ〜になるのだ。
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クリスマスにクリスマスキャロルを読む理由

ディケンズのクリスマスキャロル。
この時期になると何らかの形でこの名作に触れる人は多いのではないでしょうか。

私も毎年読みます。
(てか今年はオーディオで聴いた。カット無し完全版 $2.95)。
クリスマスキャロルは英語が難しいので、馴染めない人は先に一度でいいから日本語のものを読むといいと思う。

クリスマスに、守銭奴で性格の歪んだ老人スクルージが、3人の精霊の訪問によって、一夜にして人生観も人柄も変わって善人になるというね。キリストの聖夜に、罪と救済と再生を象徴する心温まる良い話ではあるけれど、私が毎年この本を読んでしまう理由はもっと単純に二つあります。

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第一の理由:とにかくストーリーが超絶に面白い

クリスマス。
薄暗く寂しい館。
孤独な老人。
深夜1時の鐘の音とともに、次々と現れるゴースト達。

3人のクリスマスの精霊の名は「過去」と「現在」と「未来」。この設定ゾクゾクしますよね。何度読んでも、ストーリーを知ってても「また読みたい!」って気になります。

3人の精霊それぞれが、スクルージが直視出来ずに避けていたものを見るよう強制します。「過去のゴースト」は、寄宿学校での一人寂しいクリスマスや、最愛の妹が迎えに来てくれたクリスマスを。心を砕かれた恋人との別れだけでなく、スクルージが恋人と築けたであろう家庭や子供まで見せつける。「現在のゴースト」は、労働者たちや甥っ子や忠実な従業員の暖かいクリスマスの風景を。「未来のゴースト」はそう遠くない日にやってくる最後の日を。

精霊達はスクルージが封印していたもの、見ない、考えないようにしていたことを情け容赦なく目の前に叩き付けます。直視できず封印された過去の傷こそがスクルージの問題です。

スクルージが守銭奴なのは、これ以上失わないためです。ケチで心を閉ざしているのは、これ以上傷つかないためです。過去の自分を認めることは、自分の弱さを認めることで、自分を許すこと。

忘れてはならないのは、この物語はフロイトが精神分析という治療法を見つけて開業を始める40年以上も前に書かれたということです。

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第二の理由:クリスマスの描写がたまらない

面白い事に、スクルージは最初の過去のゴーストの段階でほとんど改心しています。それを最後に現れる未来(死)のゴーストが決定付けるのです。

二番目に現れる「現在のゴースト」は、スクルージの再生に関して言えば、あまり存在意義がないようにも思えます。

ところがです。
この「現在のゴースト」の章こそ、ディケンズの腕の見せ所というか、素晴らしいシーン満載。

イギリスの、庶民の、労働者の、慎ましやかでも精一杯クリスマスを祝う姿が描かれています。貧しくても健気に生きる労働者階級を描かせれば、ディケンズの右に出るものはいません。ディケンズ自身が経済的に苦労した家庭で育ち、子供の頃から働き続け、厳しい社会の底辺で生きてきたからです。

特にスクルージの従業員である貧しいボブ一家の心の美しさ。ディケンズもこの辺り心得たもの。天使のようなティムに、読者全員が心をつかまれるでしょう。

生産性を追求して、労働者を人道的に扱わないスクルージは、利益至上主義経済の国の価値観そのものであり権化であり、現代の私たちの問題でもあります。また人を偉そうにジャッジする愚かさ、よくよく考えもしないで吐く正論の愚かさなどにも気付かされ、マジメに反省させられる。

プディング、ミンスパイ、プラム、レーズン、ターキー、アーモンドと色鮮やかに美味しそうなクリスマスのごちそうが目に浮かび、人々の笑い声やおしゃべりが聞こえる。街灯のきらめき、クリスマスショッピングで忙しい路地、白い息、教会の鐘の音、活気ある風景が見えてくる。

なにもかもクリスマスのために特別に飾られ、誰もが楽しそうで、みんなの思いがクリスマスを特別なものにしていることが伝わってくる。

クリスマスキャロルを読むと、クリスマスは特別な日なんだと改めて感じることが出来る。そして私もクリスマスを感謝して楽しんで、静かに内省もしようと思う。

というのも私は普段かなりスクルージなので、特に身につまされるだけなんですけどね。

メリークリスマス!



202冊目 Trading Christmas ロマンス小説と多読

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この時期、本屋にもスーパーにもずらっと並ぶのがクリスマス仕様のシーズナルロマンスブック。カバーのイラストはどれも、雪に包まれたコテージやキャビンやキャンドルライトがとても魅力的で、部屋に籠って読みたくなる。

それにしてもロマンス小説とはなんでしょう。ロマンス小説はハーレクインロマンスを代表とするシリーズものがありますが、例えばロマンス小説の女王ノラ・ロバーツを始めとしたシングルタイトルのロマンス小説があります。こちらも何気にシリーズ化されていたりしますが、小説の長さも350〜450ページと普通の小説と変わらないし、マスマーケット版でスーパー直行ってわけでもなく、ハードカバーでも売られます。

今回読んで思ったことは、ロマンス小説の特徴は、ストーリー展開と設定が全てで、キャラに深みがない。同じくロマンティックな小説でも、ニコラススパークやクリスティハンナがロマンスコーナーではなく一般書扱いなのも、たぶん登場人物の魅力やキャラ作りでしょう。一方のロマンス小説の登場人物には、感情移入はほぼ不可能です。で、これはたぶん理由があって、感情移入や共感よりも、もっとダイレクトに自分がその立場になれるようにRPG的に描かれているような気がします。映像で言えば、ロマンス小説はお昼のソープオペラで、読書というより妄想を楽しむみたいな。

英語はティーンノベルよりも簡単で読みやすく、その気になれば1日で読めますから多読にいいです。私もまだまだ読みます。やり直し英語で洋書を読みたいけれど、児童文学ではどしても続かないという人はこういう本の方がいいと思う(女性に限る)。日常生活や主婦の暮らしぶりなど舞台が身近ですし。そしてご都合主義的な展開なので、軽く読まないとかえって疲れるので気楽に読めます。そして語学はリラックスした方が身に付きます。でも語彙が少ないので単語力は鍛えられませんから、TOEICのスコアとか勉強が目的な人には向かないかも。またロマンス小説を千冊読んでも、Hilary Mantelがスラスラ読めるようには決してならないでしょう。その辺ですね問題は。

今回読んだデビー・マッコーマーさんも、多作でたくさん出版されています。こちらの本の内容は、映画「ホリデイ」のお昼のテレビ版です。ワシントン州に住む娘離れ出来ない母親と、ボストンに住む堅物なハーバード教授が、事情があって家を取り替えることになります。そこに母親の友人や、教授のお兄さんが加わって、あっちでこっちでラブラブな展開に。突っ込みどころ満載。

Title: Trading Christmas
Author: Debbie Macomber
Publisher:Mira; Rep Mti edition
Publication date: October 25, 2011
ISBN-13: 978-0778313342
Format: Paperback
Pages: 368 pages

興味深かったのは、ワシントン州のレブンワースという場所が、そんなにクリスマスで盛り上がるとは知らなんだ。ドイツ村なんですね。調べてみたらとても行きたくなった。シアトルしか行ったことがないので、ワシントン州をもっと観光してみたい。

日本でもシリーズミステリー小説などで、半分旅行や料理のガイドになっているものも多いですが、ロマンス小説もそんな感じなのかな。



201冊目 Illusions II 37年後のイリュージョン

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先日寝る前のちょっとした時間にスマホいじってたんですね。
いつものようにAmazonをだらだらとブラウズしていたら、おすすめにこの本が出て来たわけですよ。
キンドル版を即買い。そこからは電気を消し、夫が寝入った横で、遅くまでスマホで一気読み。

”Illusions”に続編があったなんて知りませんでした。しかも今年の始めに出版されたのですね。リチャードバック氏も70代後半ですって。”Illusions”の初版は1977年だそうですので、37年後の続編です。

Title: Illusions II: The Adventures of a Reluctant Student
Author: Richard Bach
Publication date: February 7, 2014(Kindle)
Format: Kindle
File Size: 574 KB

若い頃”Illusions”を読んで影響を受けた私としては、(オリジナル版の感想Iluusions)こちらの続編も当然のように読みました。

ニューエイジというのかスーパーナチュラルというのか知りませんが、若い頃にその手の本にはまった時期があって。ライアルワトソン氏とか好きでしたね。ワトソンさんは猿の話で捏造問題なんかもあったけど、想像もしなかった新しい視点を与えてくれる、ワクワク冒険心溢れる本が多かった。
そしてリチャードバック氏も、新しい視点と可能世界を見せてくれる作家でした。「かもめのジョナサン」、「ONE」、そして「イリュージョン」は、日本でも有名なバック氏の三大ヒット作ですね。

で、こちらはそのイリュージョンの2です。量はそれほどなく15章に分かれていて、どの章もバック氏らしいフレーズで始まる。例えば、
CAPTER 2 : Before believing, we choose what we want to believe. Then we test it for true.
みたいな。

リチャードバック氏はまあいいお年なんですが、現役でまだ空を飛んでいたんですね。で、2012年に、始めての大事故を起こし、臨死体験をし、回復見込みが絶望的といわれた中、短期間で復活されたようです。その体験記を元にしたフィクションがこちらの本です。

”Illusions”の名で出す以上、売れることは売れると思う。でも読者がそれなりのものを要求してくるのは承知で書かれているはずなんだけど、、、。どうも期待値に合わない分、残念。
メッセージ的には同じですね。この世に存在するたった一つの現実は愛で、それ以外はすべてイリュージョン。
We are perfect expressions of perfect Love。

全体的に抽象的過ぎで、言い回しが多過ぎ。D. Shimodaは健在でこれは嬉しい。確かにフィクションのキャラクターなのにリアルに友人のような懐かしさです。

読み物として興味が続くので一気には読めたのですが、読後に”Illusions”のような感銘はなく。スピリチュアルよりも宗教っぽい感じがしないでもなく、一歩間違えると臨死体験を熱く語るお年寄りのような。。最初の本とは対照的に、メッセージよりもご自分の経験を語りたがる高齢者の傾向が出てしまったのは残念ですが、リアルに修行するとはそういうものかもしれませんね。

”Illusions”ほどの期待を持たずに読めば、楽しめる本でしょう。しかしなによりも、事故にあっても年齢を超えて元気に早期回復されたのはさすがだと思うし、まだまだ書けそうだし、イリュージョンに存在し続けてほしいものです。

200冊目 What Alice Forgot 忘れたこと、忘れていたこと

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29歳のAlice Loveは、愛する旦那様とラブラブな毎日。
始めての子供を妊娠中。
まさに幸せの絶頂・・・・

・・・の、はずだった。

しかしそれはAliceの10年前の世界。

実はAliceはジムで頭を強く打ち、記憶障害となり、ここ10年間の、29から39までの記憶を無くしてしまったのでした。

今現在のAliceは、四十路手前で、3人の子持ちで、夫とは不仲で離婚協議中。

気持ちは29歳の愛に溢れた若い女性のままなのに、中年の厳しい現実に向っていかなければならなくなったAlice。

Title: What Alice Forgot
Author: Liane Moriarty
Publisher:Berkley Trade; Reprint edition
Publication date: April 24, 2012
ISBN-13: 978-0425247440
Format: Paperback
Pages: 496 pages

But maybe every life looked wonderful if all you saw was the photo albums. -What Alice Forgot



若くて妊娠中のはずが、もうすぐ40歳でしかも子供が3人。新婚で熱い仲の夫とはどういったわけか冷えきり、なんと離婚を前提に別居中。10年の間に、一体何があったのか。10年の歳月が、何を変えたのか。Aliceが無くした10年が、同時に忘れ去られていた過去を復活させる。

「なんでこうなっちゃったんだろう」と、中年になると、例え記憶がしっかりあっても思うものですから、記憶がなくなるとなおさらでしょうね。

女性の場合、一般的に30歳から40歳まではとても大きい変化があるものですよね。おもに出産ですかね。子供が生まれ、人間関係も、生活環境も、大きく変わってしまうのではないでしょうか。

仕事が変わったり、子育てに相応しい住居に移ったり、友人関係が変わったりね。仲の良かった独身または子供のいない友人との関係はぎこちなくなり、新たに同士のようなママ友が出来るとか。夫とは、社交や家族ぐるみの日々の中で失っていく男と女の部分と、課せられる役割。私たちはいつ何処で、娘から中年女性になったのか。

Aliceも、愛する旦那さまであるNickの「可愛い奥さん」であればよかった29歳の自分と、母親業やご近所やPTAでの役割がほとんどの現在の自分との間で戸惑います。それによって少しずつ距離が出来た夫婦関係にも気付く。何があるわけでなくても、小さなヒビは放って置けば取り返しのつかない状態になる。

そして記憶は忘れても、痛みだけは覚えていたりするからやっかいなのよねえ。

個人的な話で言えば、私の場合子供を産んでいないので、たぶん10年前に戻ってもほとんど支障なしです。外見だけですね変わったの。人間関係も夫婦関係もたぶん問題なし。引越しだけは10年間毎年しているので変化はあるんですよ。でもそれは長い旅行と同じで、家に戻ればなかったようなもの。ちょっと空しいような気もしますが、自分の人生観とはマッチする。ただ何ら支障はない分、逆に思い出だけが全てなので、死んでも忘れちゃダメだなと思いました。

著者は前回読んだ"The Husband's Secret (2013)"の方。オーストラリアの方です。だからなのかどうかは知りませんが、夫婦関係と子供や家族にファーカスされています。仕事とかキャリアとかアメリカ的な要素が絡んで来ないのでわかりやすい展開で嬉しい主婦向きです。

The Husband's Secret がとても面白くスイスイ読めてしまったので、それと比べてしまうと劣ります。実質460ページあり、こんなにいらないですね。内容や雰囲気から、350ページくらいでまとめるとちょうど良い本だったと思います。フォントも小さく薄くて読みにくい。

全体的には面白く、プロットが興味深く、展開がある程度読めつつもそれゆえに読者を離さないテクニックは同じなのでガンガンとは読めますが、時々興味が薄れます。また比較的、前半の方が弛み気味で、後半の方が読み応えがあります。