239冊目 The Yellow Wallpaper and Other Stories

まだもう少し内職、内職、内職です。日々修行、ありがたいです。
とりあえずの読書メモ。

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The Yellow Wallpaper and Other Stories by Charlotte Perkins Gilman

シャーロット・パーキンス・ギルマンはジェンダー論で有名な女流作家だそうです。ジェシカ・ラングがどれもいい演技をしているテレビドラマ、”American Horror Story”の中でちらっとこの小説が出てくるので、気になって読みました。こちらの短編集は、表題作のThe Yellow Wallpaper他7編。社会的な何かによって、物理的に、精神的に閉じ込められている女性を描いた作品が多いです。

If a physician of high standing, and one’s own husband, assures friends and relatives that there is really nothing the matter with one but temporary nervous depression—a slight hysterical tendency—what is one to do? 
ーThe Yellow Wallpaper



”The Yellow Wallpaper"

表題作でシャーロット・ギルマンの代表作の一つ。
医者であり、表面的には優しく妻思いの旦那さんのアイデアで、主人公の若妻は「療養」のため人里離れたコロニアルマンションに閉じこもっている。旦那さん曰く、若妻は病気ではなくただの"depression"で、必要なのは新鮮な空気やエクササイズ、そして「仕事」をしないでただ休むこと。
若妻は、時間毎に決められたスケジュールの中、その大半を破れた黄色い壁紙で覆い尽くされた部屋で過ごしている。そして何もせずに壁紙を見つめているうちに、その壁紙の中に女性が閉じ込められていることに気がつく。
安静に、大事にと、何もさせてもらえない女性が 、だんだんと狂気に陥っていく姿を描いた作品。

”Three Thanksgivings"

こちらは打って変わってエンディングが爽快です。主人公は50代の未亡人。住んでいる屋敷が気に入っていて、離れたくはないのですが、金銭的に維持できません。救済の手を差し伸べてくる長い付き合いの隣人は、一見優しく見えるけど、要は弱みにつけこんで未亡人と屋敷を手に入れようとしているだけ。また一緒に住もうと言ってくれている子供達も、屋敷を売ったお金をあてにしていたり、何か違うのね。さあ困った困ったな状況なんだけど、上手いことやりましたね。してやったりで気持ちいいラストです。

”The Cottagette”

主人公はアーティスティックな女性。ある男性に恋し、結婚したいと思っています。ところが経験豊富な古い友人から、男なんて結局のところ妻ではなく(もちろんアーティストでもなく)、単に家政婦が欲しいのだから、家事力をあげなければダメだとアドバイスされます。そして料理やら掃除やら頑張るわけですが、、、。
これもラストは爽快で可愛らしい作品ですね。

”Turned"
シニカルな作品です。これはあまりリアリティを感じなかったかな。構成は面白いと思いましたが。
とあるお屋敷。さめざめと泣く若い女性二人。一人はこのお屋敷の若き妻。もう一人はメイド。不在中の夫。夫のやらかしたことで、二人の女性が悲しんでおります。妻は嫉妬に狂い、メイドは途方にくれ。何が起きたかは容易に想像つきますかね。と、そこまではいいけれど、結末がどうにも?。もちろん理想的ではあるけれど、こういう展開はちょっとないと思うなあ。


”Making A Change”
こちらは嫁姑ストーリー。主人公の女性はミュージシャンで芸術家。子供がうまれて軽い鬱になっています。夫の提案で、子供をお姑さんに任せようとなるわけですが、妻はこれに激しく抵抗し、その結果もっと自分を追い込んでしまうのね。お姑さんのおかげでなんとか乗り切り最後はめでたしめでたし。

表題作からダークな小説を書く方かと思ったのですが、そうでもないですね。意外とさっぱりした「してやったり」系も多いです。ジェンダーで言うと、実体験と理想と半々という感じでしょうか。

表題作はホラーがかっていて一番面白かったです。フェミとかジェンダーの前に、長い間借り手のつかなかったお屋敷や、荒れた黄色い部屋というね・・・。子供の頃、黄色は精神病の色だという噂がありましたが、あれはなぜだろう。今は金運と結びついて人気のある色ですけどね。

フェミニスト本が読みたかったわけではないので、その他は気分的にはイマイチだったのですが、短く読みやすいので、どれもさくっと読めました。


[TV] John Adams 独立か死か

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タイトル:John Adams
制作:HBO
時間:8時間35分

HBOシリーズ(全7話)のジョン・アダムスの半生です。
とても面白かったです。

ジョン・アダムスは言わずと知れたアメリカ建国の父ですが、ジョージ・ワシントンやトマス・ジェファーソンやベンジャミン・フランクリンほど人気がありませんよねえ。地元であるボストンでも、従兄弟のサム・アダムスの方が人気がありますし。ルックスがイマイチで華がないからでしょうか。でも最近では評価が上がってきていて、こちらはそのジョン・アダムスにスポットライトをあてた歴史ドラマです。

ちなみにこのテストで、私の大統領もジョン・アダムスだった。

取り上げられている時期はジョンアダムスの壮年期から最期まで、年代でいうとアメリカ独立戦争のきっかけとなったボストン虐殺の1770年から、独立戦争後50年経った1826年までです。
  Part I: Join or Die (1770 A.D. – 1774 A.D.)[edit]
  Part II: Independence (1774 A.D. – 1776 A.D.)[edit]
  Part III: Don't Tread on Me (1777 A.D. – 1781 A.D.)
  Part IV: Reunion (1781 A.D. – 1789 A.D.)[edit]
  Part V: Unite or Die (1788 A.D. – 1797 A.D.)
  Part VI: Unnecessary War (1798 A.D. – 1802 A.D.)
  Part VII: Peacefield (1803 A.D. – 1826 A.D.)

ボストン虐殺でジョンアダムスは、全ボストン市民を敵にまわしてイギリス側の弁護をし、英国兵の無罪を勝ち取りました。感情に流されることなく法を守る男は、だからこそ一層アメリカの独立の必要性を感じることができたのかもしれません。

植民地時代から独立戦争までの道のり、ベンジャミンフランクリンやトマスジェファーソンとの絡み、長く続く外交官時代。そして私がもっとも興味をもったのは奥さんアビゲイルとの関係(と4人の子供たち)。

アビゲイルはジョンアダムスとは逆に、歴代のファーストレディの中でもとても人気があります。ピューリタン女性の鏡のような人で、質素で、働き者で、アダムスの長い不在にも家庭をしっかり守った強く賢い女性です。アダムスは、独立戦争に負けるとかなり危険な立場だったので、精神的な負担は計り知れなかったことでしょう。

アダムスとアビゲイルは生涯通じて仲睦まじく、アダムスはアビゲイルになんでも相談していたようです。離れている間の手紙のやりとりでは、アダムスはアビゲイルを "Dearest Friend”と呼んでいて(余裕がある時には "Best, Dearest, Worthiest, Wisest Friend in the World” だったそうです)、ただの夫と妻の役割を超えソウルメイトであったことが伺えます。

また独立宣言草稿を書いたトマス・ジェファーソンとの関係もとても面白く、ライバルであり戦友でありまことに素晴らしい。しかもこの二人は、独立から50年後の独立記念日である1826年の7月4日に、ほぼ同時に亡くなったという。これはとても有名な話らしいのですが私は知らなくてびっくりしました。やはり運命ってあるのだろうなとしみじみ思ってしまった。

ジョンアダムスはこの激動の時代に90歳と長生きしました。子供は次男と長女を早くに亡くしますが、長男はジョン・クインシー・アダムスで、6代目のアメリカ大統領ですね。ジョン・クインシー・アダムスは、晩年あのアミスタッド号事件(アフリカから連れ去られた黒人奴隷の反乱)で、黒人奴隷側の弁護を引き受けた人で、裁判で勝ち、彼らをアフリカへ帰還させた人です。

ジョンアダムス(とその息子のクインシー・アダムス)は初期大統領の中では、唯一黒人奴隷を所有しなかった人です(初代大統領のワシントンなんて300人も所有していた)。もちろんプランテーション(大農場)を持っていなかったからというのもありますが、アビゲイルもアダムスも根っからの働き者で平等の精神を持っていたのでしょう。アダムスは大統領を退いた後は地元でアビゲイルや子供達と農業をしたり、本を書いたり、質素に暮らしています。それもいいです。DVDを借りて見ましたが、ネットで半額だったのでやっぱり購入しました。また見よう。


238冊目 The Remains of the Day 黄昏に染まるだけ

久しぶりの読書メモです。内職は楽しく頑張ってます。
ただ面倒くさい英文に疲れきってる毎日なので、余暇の楽しみとして今回は全然適さない本でした。

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Title: The Remains of the Day
Author: kazoo Ishiguro
Publisher: Faber and Faber
Publication date: May 1989
Pages: 245 pages

★★★☆☆

'dignity' has to do crucially with a butler's ability not to abandon the professional being he inhabits. Lesser butlers will abandon their professional being for the private one at the least provocation.
The great butlers are ….They wear their professionalism as a decent gentleman will wear his suit: he will not let ruffians or circumstance tear it off him in the public gaze; he will discard it when, and only when, he wills to do so, and this will invariably be when he is entirely alone.
- The Remains of the Day



読了後は満足しましたが、実は遅々として読み進まなかった。

英国の執事が語る過去、後悔、古き良き時代。

舞台は第二次世界大戦から10年くらいたった英国です。

主役のStevensはバトラー(執事)で、歴史ある名家Darlington Hallに仕えています。

ダウントンアビーなどを見ていて思うのですが、英国のお屋敷使用人というのは独特でとても興味深い存在ですよね(特にバトラー)。

一般的なメイドとは、関係性も責任感などもまるで違うし、全人生をご主人様に捧げる、、、結婚後とか退職後はどうなるんだろうといつも不思議に思っていました。この小説で知ったバトラーの世界は、なるほどと思う一方で、唸る人生でもあった。三日目の夜に出会う陽気な村人たちが言うように、それは奴隷のような生き方なのかもしれない。しかし自我を抹消し奉仕する聖職者のような生き方とも言える。または夫の出世や子供の成績が生き甲斐になってしまう主婦のような生き方とも。

ナレーターはStevens本人で、日記形式なのだけれど、これが全然本音を語ってくれません(日記なのに!)。誰に向って書いてるんだこれ、みたいな。一人の時ですらバトラーをいうスーツを脱がない彼は、彼の定義で言えば'dignity'の権化ではないでしょうか。骨の髄までバトラーですよね。

Stevensは新しい主人であるアメリカ人から休暇をもらい、戸惑いつつも6日間の旅に出るわけですが、この旅のクライマックスであるはずのMIss Kenton(Msr Benn)の再会も、時間を置き、過去を振り返る形でしか語れない彼の性分には(肝心の日の日記だけない)、もどかしさを通り越して流石にせつなくなった。

最初はStevensにイライラしながら読んでいたのですが(謙遜したふりをして自慢したり、遠回しに嫌味を言ったり、盲目的に主人に尽くすことが)、最後には愛しく思えて来ました。MIss Kentonはなんでこんな男に、、、とまったく理解出来なかったけれども、ラストの別れのシーンまでくると何となくわかった気もする。

ラストは、古き良き大英帝国の衰退と、その象徴のようなバトラーの生涯と、黄昏に染まる風景がいい具合に溶け合い味わいがある。ピアで隣あった男の台詞もいい。

人生を捧げたDarlington卿の裏の顔や、押し殺して来た気持ち、向き合わなかった真実、、、後悔はつきないけれど、でもまだ今日という日は終わっていない。そして"The evening's the best part of the day"なのだ。

読後は良かったとは思うのですが、全体的に英語は堅苦しく、言い方もストレートではないし、Stevensにイライラしてしまい、読んでいてさほど夢中になれず。私はそれでもまだバトラーの生活に興味があったので読み進めたけども。。評判がとてもいい本だけあって、期待しすぎたのかもしれません。評判がいい割には、、、というのと私側の問題で、今回は星3つで。

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*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。

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