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Title: The Girl on the Train
Author: Paula Hawkins
Publisher: Riverhead Books (2015)
Publication date: January 13, 2015
Pages: 336 pages

"let’s be honest: women are still only really valued for two things—their looks and their role as mothers.”
― The Girl on the Train


今年の頭に発売されてからこの一年間、ずっとベストセラー&話題の一冊だったのがこちらです。読んだ方も多いかと思います。本場イギリスでも同じでしょうか。アメリカでは読書する女性はみんな読んだとまで言われている本です。

私も夏頃に読んでいたのですが、間に引越しが入りそのまま放置状態だったので、年を越す前に読み終えました。

売れた理由はなんだろう。まずジャンルが人気のダークミステリー。そして気取らない文体(読みやすさ)と、毒のある女のドロドロした本音や嫉妬が満載のところでしょうか。

三人の女性が交互に語るスタイルです。しかも三人全てがunreliable narratorという、とんでもなくつかみ所のない小説です。

メインのナレーターであるRachelは三十代、夫に捨てられたバツイチ女性、家もなく(友人のフラットを間借り)、仕事もなく、アル中です。体重も増加中。

仕事を首になったことを、部屋を間借りしている友人には言えず、毎朝同じ列車に乗り、会社に行くフリをしているのね。

その列車の窓からいつも見かけるのは理想的な家とそこに住む夫婦。何もない自分と比べ、優しい旦那さんと安定した家をもち優雅な朝をむかえる奥さんに、嫉妬半分、羨望半分、どんどん妄想を膨らませていくRachel。

しかしそこの夫婦も実は、、、まあ見かけとは違うわけです。この奥様がMeganで第二のナレーターです。

この家の数件先に、実はRachelが元夫と住んでいた家があります。Rachelが捨てられる原因となった夫の浮気相手が今では妻の座におさまり、子供も出来て幸せに暮らしています。この女性Annaが第三のナレーターとなります。

最初、三人の女性の関係性は薄く、Rachelの危うさとだらしなさだけが目立っています。そしてある事件が起き、Rachelはある秘密を握っています。けれどもちろんRachelの記憶はあてになりません。他の二人はどう絡んで来るのか。実はこの二人はRachelに輪をかけて、、、。

本音と嫉妬と嫌らしさを、隠すことなく語るナレーター三人。ぐいぐい引き込む展開。英語も平易で読みやすく、読者を飽きさせないよう考えられています。文句なく面白い娯楽小説でしょう。ただ一つ言わせてもらうと、内ようではなく、単純に本の構成から、わりと早い段階で犯人の見当がついてしまうのではないでしょうか。

また"Gone Girl"のGillian Flynnとよく比べられますが、どうなんだろう。Gillian Flynnが描く主人公はみな、影と切なさを持ち合わせていますが、こちらはそんな感じはありません。えらそうだけど、キャラクターに深みがないというか。。
好みの問題なのかもしれないけど、例えば小説のキャラクターが現実にいたとして、Gillian Flynnの主人公には惚れちゃうと思うけど(どんなに悪女でも)、こちらPaula Hawkinsの小説に出て来る女性達には、興味すらわかないだろうな、という感じです。

でも確実に夢中になれるというか、中毒になる小説ですよ。



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