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238冊目 The Remains of the Day 黄昏に染まるだけ

久しぶりの読書メモです。内職は楽しく頑張ってます。
ただ面倒くさい英文に疲れきってる毎日なので、余暇の楽しみとして今回は全然適さない本でした。

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Title: The Remains of the Day
Author: kazoo Ishiguro
Publisher: Faber and Faber
Publication date: May 1989
Pages: 245 pages

★★★☆☆

'dignity' has to do crucially with a butler's ability not to abandon the professional being he inhabits. Lesser butlers will abandon their professional being for the private one at the least provocation.
The great butlers are ….They wear their professionalism as a decent gentleman will wear his suit: he will not let ruffians or circumstance tear it off him in the public gaze; he will discard it when, and only when, he wills to do so, and this will invariably be when he is entirely alone.
- The Remains of the Day



読了後は満足しましたが、実は遅々として読み進まなかった。

英国の執事が語る過去、後悔、古き良き時代。

舞台は第二次世界大戦から10年くらいたった英国です。

主役のStevensはバトラー(執事)で、歴史ある名家Darlington Hallに仕えています。

ダウントンアビーなどを見ていて思うのですが、英国のお屋敷使用人というのは独特でとても興味深い存在ですよね(特にバトラー)。

一般的なメイドとは、関係性も責任感などもまるで違うし、全人生をご主人様に捧げる、、、結婚後とか退職後はどうなるんだろうといつも不思議に思っていました。この小説で知ったバトラーの世界は、なるほどと思う一方で、唸る人生でもあった。三日目の夜に出会う陽気な村人たちが言うように、それは奴隷のような生き方なのかもしれない。しかし自我を抹消し奉仕する聖職者のような生き方とも言える。または夫の出世や子供の成績が生き甲斐になってしまう主婦のような生き方とも。

ナレーターはStevens本人で、日記形式なのだけれど、これが全然本音を語ってくれません(日記なのに!)。誰に向って書いてるんだこれ、みたいな。一人の時ですらバトラーをいうスーツを脱がない彼は、彼の定義で言えば'dignity'の権化ではないでしょうか。骨の髄までバトラーですよね。

Stevensは新しい主人であるアメリカ人から休暇をもらい、戸惑いつつも6日間の旅に出るわけですが、この旅のクライマックスであるはずのMIss Kenton(Msr Benn)の再会も、時間を置き、過去を振り返る形でしか語れない彼の性分には(肝心の日の日記だけない)、もどかしさを通り越して流石にせつなくなった。

最初はStevensにイライラしながら読んでいたのですが(謙遜したふりをして自慢したり、遠回しに嫌味を言ったり、盲目的に主人に尽くすことが)、最後には愛しく思えて来ました。MIss Kentonはなんでこんな男に、、、とまったく理解出来なかったけれども、ラストの別れのシーンまでくると何となくわかった気もする。

ラストは、古き良き大英帝国の衰退と、その象徴のようなバトラーの生涯と、黄昏に染まる風景がいい具合に溶け合い味わいがある。ピアで隣あった男の台詞もいい。

人生を捧げたDarlington卿の裏の顔や、押し殺して来た気持ち、向き合わなかった真実、、、後悔はつきないけれど、でもまだ今日という日は終わっていない。そして"The evening's the best part of the day"なのだ。

読後は良かったとは思うのですが、全体的に英語は堅苦しく、言い方もストレートではないし、Stevensにイライラしてしまい、読んでいてさほど夢中になれず。私はそれでもまだバトラーの生活に興味があったので読み進めたけども。。評判がとてもいい本だけあって、期待しすぎたのかもしれません。評判がいい割には、、、というのと私側の問題で、今回は星3つで。
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