過ぎ去りしdays

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240冊目 Eleanor & Park この切なさ

心躍る春風がふいても、まだまだ内職に追われているワタクシ。

Eleanor Park

Title: Eleanor & Park
Author: Rainbow Rowell
Publisher: St. Martin's Griffin
Publication date: February 26, 2013
Format: Hardcover
Pages: 336 pages
Audio : 9 hours

★★★★☆

“I don't like you, Park," she said, sounding for a second like she actually meant it. "I..." her voice nearly disappeared "think I live for you."
He closed his eyes and pressed his head back into his pillow.
– Eleanor & Park


YAブック。

主人公1)Eleanor 。赤毛で太っていて暗い感じの女の子。家が貧しく、古着屋で買ったおかしな服を微妙なテイストで着こなす。学校では醜いイジメにあっている。母親は弱者で義父のいいなり。きょうだい4人と、DVの義父の機嫌をそこねないよう、息をひそめ、音を立てないように暮らしている。
この一年、義父を怒らせたことから家に帰れず、母親の友人宅のソファで寝泊まりをしていた。

主人公2)Park。オマハの田舎の学校では珍しいアジア系男子。いつもコミックブックを読んでいる。学校では人気スターではないがそこそこポピュラーで、マイノリティでありながらうまく溶け込んでいる。感じのいい普通の男の子。

義父の許可がおりて家に戻って来たEleanor 。
学校初日。スクールバスに乗り込むも誰もEleanorに席を譲りません。ただ立ちすくむEleanor。ドライバーは危険だから早く座れと怒鳴っている。
見ていられなくなったParkが自分の隣の席を提供します。

もちろん、それからそこがEleanorの定位置になってしまい、Parkは思いっきり後悔します。

でも、毎日隣り合わせに座っていて、ParkはEleanorが自分のコミック本をこっそり横目で見ていることに気がつくの。Eleanorは貧困やら家庭の状況で、コミック本どころか、ほとんど何も所有できないのね。
Parkは相変わらずEleanorと一言も口はきかないけれど、さりげなくコミックのページを大きくひろげ、ゆっくりとページをめくります。

ParkはEleanorのために余分に本をもってくるようになります。それからちょっとずつ、不器用に、遠慮がちに築かれていく二人の会話。ParkはバスでEleanorの隣に座ることが待ち遠しくなり、EleanorはParkと過ごす行きと帰りの小さな座席での時間がすべてとなる。

初恋なんて可愛いらしい言葉では説明できない二人の世界。非情にもろい心の綾の部分を丁寧にキャッチして描く作者に私は心から感心しました。もっと他の作品も読みたい。甘い言葉はないのに、愛が切ないほど伝わってきます。学校ではイジメにあい、家にいるのは毒親でも、好きな人がいて、その人も自分を気にしていてくれるなら、人はたくましく生きていけるように思いました。

“I don't like you, I think I live for you."
EleanorとParkは、自分たちの中に芽生えていく力強くて新しい感情に、慎重に言葉をあてはめていきます。ゆっくりと、正確に誠実に。
またパッとしないルックスの子が主人公というのも、本の醍醐味の一つです。ハリウッド映画だけでなく、最近は日本の漫画も、主人公が美男美女ばかりで味がなくてねえ。







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