過ぎ去りしdays

散歩・本・映画・おやつ

249冊目 Eileen

今年最後の読書メモになりますかね。
今年のブッカー賞のショートリスト作品。

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Title: Eileen
Author: Ottessa Moshfegh
Publication date:: 2015
Paperback: 272 pages

毒親、機能不全家庭で育った子供が幸せになる方法はひとつしかありません。それは育った家を、家族を完全に捨てることです。でもそれが出来ないように魔法をかけるのが毒親なのですよね・・。人は生まれ落ちた環境の犠牲者なのか。それとも人生は自分で選べるのでしょうか。

I looked like a girl you’d expect to see on a city bus, reading some clothbound book from the library about plants or geography, perhaps wearing a net over my light brown hair. You might take me for a nursing student or a typist, note the nervous hands, a foot tapping, bitten lip. I looked like nothing special. It’s easy for me to imagine this girl, a strange and mousy version of me, carrying an anonymous leather purse, or eating from a small package of peanuts, rolling each one between her gloved fingers, sucking in her cheeks, staring anxiously out the window.


読書が趣味と言うと、地味だねえとか根暗?とか言われることもあるかと思いますが、まあ私に限って言えば当たっていると思います。ダークな面が強いので本を読むような。したがって暗い本、暗い主人公は大好物です。もちろんこちらも。

主人公は地味で、外見も人生も環境もパッとしない、若い女Eileen。少年院で働きながら、アル中で元警官で世捨て人となった父親の世話をしつつ二人で暮らしています。どこにも出口はなく、夢も希望もない娘Eileenを、数十年後、老いたEileenが語ります。

初老となったEileenは、今では満たされ、恵まれ、幸せな生活を送っているのです。
不幸な環境で育つと、そのまま不幸な人生を送り続けることになる。毒親の呪縛は一生つきまとい、不幸の連鎖となるのが常。しかしEileenは見事にこのパターンを断ち切りました。それは初めて心を開いた友人の出現であり、クリスマスの夜の事件であるわけです。

Eileenは読んでいて気持ちのいい娘ではありません。父親が死ぬ妄想や、職場の気に入った男の子との妄想に耽り、ネガティブで、クセが悪い。しかしどうしようもない環境に置かれた子供が出来ることは限られているわけで、妄想はその数少ない救いではあります。妄想もまた出口へと続く灯籠の道になりうる。

友情の本でも、努力やポジティブ思考の本でもないんです。孤独で暗い少女の分岐点のお話。最後50ページまで、事件らしい事件も起こらないのですが、私はラストまで一気に読めました。

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