"Tony & Susan" by Austin Wright

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昨年公開していたトム・フォード監督の映画ノクターナル・アニマルズの原作となる小説です。

実は映画が見たかったのですが(エイミーアダムスが主演だし)、苦手なシーンがありそうな予感がしたので諦め(ちなみに苦手な映像とはレイプシーンか犬が殺されるシーンです)、かわりに原作本を読んだという経緯です。

本は入れ子構造なので好みが別れると思います。作中作もの苦手という人ってわりと多いのですよね(特に読書家ほど多い気がする)。私は作者と読者の関係性みたいなものも描こうとするメタフィクションがかなり好きなのでそれだけで楽しめましたが。

Well, she was a reader. If Edward couldn’t live without writing, she couldn’t live without reading. And without me, Edward, she says, you’d have no reason to exist.



20年ほど音沙汰がなかった元夫の Edwardから、再婚して今では別の家庭を築いているSusanの元に、小説の原稿が送られてきます。Edwardは当時から小説家志望で、小説を書いてはSusanに読んでもらっていたんですね。

「あの人まだ小説書いてたのね、、」懐かしいようなほろ苦いような思い出がSusanに沸き上がります。当時Edwardも認めるほどSusanは「最高の批評家」であったわけです。しかし最高の批評家って、場合によってはあんまり応援にはならなかったりしますよね。それに生活の糧にはならない「書き物」こそがEdwardとSusanの離婚の原因でもあります。

送られてきた小説のタイトルは”Nocturnal Animals”。Susanがこの小説を読み進める形式になっています。
しかしこの小説が思いのほか残酷なのでSusanは驚きます。田舎に向かう夜のドライブで、若者のグループに絡まれる一家の話で、旦那さんだけ一人取り残され、奥さんと娘はつれさられ、レイプされ、殺されてしまいます。面白いのは小説の暴力性にショックをうけながらも、Susanは小説の出来に満足しているんですね。そこに葛藤を覚えながらも。

小説のタイトルですが、"Edward &Susan"ではなく、作中作の登場人物"Tony&Laura"でもなく、"Tony&Susan"と二つの小説を織り交ぜていますし、いくつもの読み方が出来そうです。人に寄って読みどころも変わりそうな本で、テーマが広がり過ぎなのかなあと少々思いますが興味深い本です。



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