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Book No.65

Title: The Horse Boy

Author: Rupert Isaacson
Published: 2009 April
Hardcover: 368 pages

自閉症の子供を持つ父親が書いたノンフィクションです。NYTのブックレビューで興味を持ち読みました。

息子のRowanは、発育もよく、かなり早くから歩き始める。機関車トーマスが大好きで、キャラクターの名前を覚えるのも早く、おもちゃを使っては床に綺麗なパターンを作る。将来は天才アーティスト?と期待を寄せる両親。
しかし一方で、動物やキャラクターの名前はスラスラ言えるのに、生活やコミニュケーションでの会話「お腹空いた」「ちょうだい」「いや」などのベーシックな言葉や、「ママ」や「パパ」すら言わない息子を心配し始める。そして指差しをしない、名前を呼んでも振り返らないなどが、自閉症児の症状であることを知る。

成長とともに、癇癪や叫びが押さえられないRowan。そんなある日、偶然近所の馬と触れ合う。Rowanは瞬時に落ち着きを見せ、初めて意味ある言葉を話し始める。「馬」との接触で改善を見せた息子。今までどの医者に見せても何の変化も改善法も得られなかった父親は、「これだ」と確信して、もっともっと馬と接触させようと試みる。そしてHorsemenとシャーマンの国、モンゴルへ、息子を連れて旅立つ。

全てかどうかは知りませんが、自閉症の人は視覚優位で、音声言語では考えず、絵で考える傾向があるそうです。そのためか、中には驚異的な記憶力を持つ人や、計算では不可能な数字を導きだせる非凡な能力を発揮する人もいるのだそうです。そして動物もまた、人間のように言語ではなく、絵で考えるのだそうです。

自閉症というのは、そのメカニズムも、当然治療法も何もわかっていない症状です。一方で、出産の高齢化などもありその数は年々増えているそうです(日本ではなぜか女性の高齢化ばかりが問題視されますが、この本では、男性も、父親が40代の時に生まれた自閉症児の数は、 30歳未満の父親の場合の約6倍だと言うデーターがあることにふれています)。何もわからないなら、効果のあったことはとことんやってみる。この行動力はすごいし、批判を恐れない姿勢は頼もしいと思いました。また、”スペシャル・ケア”が必要な子供の親になるということを、正直にありのまま書いています。ただ馬というか動物治療のことなどを、もっと突っ込んで聞きたかったです。犬や猫などのペットを飼うことでうつ病を軽減させるアニマルセラピーなどもよく聞くし、特に最近注目をあびている分野ですからね。

元々トラベルライターだった作者ですので、基本的には治療の話というよりは、自閉症の息子とその親の、文字通りのジャーニーです。また改善は見られるけれど、シャーマンの手に寄って治るという話でももちろんありません。ドキュメント作品として映画化もされたので、興味のある方はどうぞThe Horse Boy Movie
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