過ぎ去りしdays
散歩・本・映画・おやつ

プロフィール

koburii

Author:koburii
HN:こぶり
国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦。



カテゴリ



月別アーカイブ



61冊目:The Road

d0170448_6573682.jpg

Book No. 61

Title: The Road
Author: Cormac Mccarthy
Published: 2006
Pages: 256pages

"You forget what you want to remember, and you remember what you want to forget."

廃墟となったアメリカを、一組の親子(父と息子)が南に向かって歩き続ける。少しの食料と身の回り品を詰めたショッピングカートを押しながら。文明は絶え、生き延びた少数の人々は、無法地帯となった大地をさまよう。

核戦争なのか、グローバルウォーミングの末路なのか、何が起こったのかは説明されていない。ただサバイバルゲームと化した世界で、野蛮な人間はのさばり、善良な人々を捕まえ、全てを奪い、レイプし、そして絶対的に食料が不足した状況下で、人を食う。

主人公の父親と息子はそんな荒れた世界でも、良い人間でありつづける。慢性的な飢えと、寒さ、ほとんど希望のない世界で、お互いを気遣い、励まし合いながら、ただただ南に向かって歩く。

絶望的な状況、そう遠くない未来、野蛮人は自分たちを捕まえ、レイプし、体を食うだろう。母親はそう言って自殺する。生き残った他の人間の中にも、その道を選んだものは多いだろう。

悪がはびこる世界、そして何一つ希望が見いだせない状況で、この親子は、何を頼りに生き、歩き続けるのか。おそらく、どんな時代でも、この世は善と悪の闘いの場であり、善良な人間が生きることを諦めてしまえば、それでおしまいである。もし自分が悪人で無いのなら、生き続けること、人生を諦めないこと。ただそれだけでそれは信仰であり、生きる意味なのかもしれない。それはどこまでいっても「かも」であり続けるけれど。

この本のレビューでは、たびたびサミュエルベケットが引き合いに出される。不条理と、神の不在とその中での人としてのモラルや勇気は、聖書から続くキリスト教文化の大きなテーマである。ピューリッツァー賞受賞作品。作者はアカデミー作品賞に輝いた"No Country for Old Men"の原作者です。

・・とここまで自分で書いてても、素晴らしい本だと思うのだけど・・・残念。私好みではありませんでした。はっきり言って読むのが苦痛でした。親子の苦悩も試練も、作者のマゾヒスト的嗜好に感じてしまいます。きゃーごめんなさい。

アマゾンのレビューでも、有名な新聞各社でも、ことごとく絶賛されている本なので、この手のテーマが好きな人にはおすすめです。あまり良いレビューが書けない時のバランストオピニオン~。絶賛している新聞のレビューを一部紹介しておいます。

Why read this? . . . Because in its lapidary transcription of the deepest despair short of total annihilation we may ever know, this book announces the triumph of language over nothingness.
Chicago Tribune

His tale of survival and the miracle of goodness only adds to McCarthy's stature as a living master. It's gripping, frightning, and, ultimately, beautiful. It might very well be the best book of the year, period.
The San Francisco Chronicle

Mr. McCarthy brings an almost biblical fury as he bears witness to sights man was never meant to see.
The New York Times - Janet Maslin

With this apocalyptic tale, McCarthy has moved into the allegorical realm of Samuel Beckett and José Saramago -- and, weirdly, George Romero. The Washington Post - Ron Charles

the most readable of his works, and consistently brilliant in its imagining of the posthumous condition of nature and civilization―"the frailty of everything revealed at last. Old and troubling issues resolved into nothingness and night."
The New York Times Book Review - William Kennedy

関連記事


トラックバック

トラックバック URL
http://koburiland.blog104.fc2.com/tb.php/217-6c29b6e5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)