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Book No.89

Title: The Condition

Author: Jennifer Haigh

Publication date: Jul 2008

pages: 400p





前作Mrs Kimbleで、すっかりファンになってしまったJennifer Haigh。彼女の本は全部読みたい!

ターナーシンドロームという女性にだけ起こる先天性の病気を持ち、体だけ決して大人になれない女性Gwenと、その家族の物語です。


When Gwen, the youngest child, is diagnosed with Turner's Syndrome, the family knows that her body will never grow to adulthood. Frank, her scientist father, is fascinated by the disease, while Paulette her mother is horrified. As they struggle to cope with the ramifications of Gwen's illness, her parents see the cracks within their marriage widen irreparably. Equally affected are their sons; one a successful lawyer in denial about who he is, the other whose search for himself and his need for his parents' approval has only resulted in a series of dead ends.




舞台の始まりは1976年。マサチューセッツにある避暑地ケープゴットのビーチハウスで、夏の休暇を楽しんでいるMcKotchファミリー。科学者としてそれなりに成功している父、美しい母、三人の子供達。

しかし父Frankは、12歳になる娘Gwenが、他の女の子たちと体つきが少し違うことに気がつく。常日頃から夫の性的感心の強さに不満のある妻Pauletteは、その指摘にすら不快感を持つ。そしてこの夏を最後に、McKotch一家は崩壊するのです。

舞台は21年後の1997年に移ります。12歳だったGwenも、30代になっています。しかし外見は同じままです。Gwenはターナー症候群と呼ばれる、染色体異常をもっており、普通の成人女性のような成長がなかったのです。身長は11歳の少女のまま、生理もなく、胸もなく、小学生のままで時間が止まったかのように。

Gwenはこの小説のある意味中心ではありますが、これは彼女の"condition"だけを語る話ではありません。むしろ、語られているのは家族であり、家族のメンバーそれぞれのcondition、"human condition"です。

ある意味機能不全家庭であるMcKotch一家。語られてはならないタブーがあり、それぞれ秘密があり、暗黙のルールが存在します。この母親には、作者のデビュー作Mrs. Kimbleに登場するKimble氏と共通する、悪意のない無関心さと冷たさがあります。

母親Pauletteの孤独と冷酷さと、最愛の長男Billyとの関係。Billyが決して母親に言えない秘密。末息子のScottの身内のトラブル、離婚してひとりになった父Frankの弱さ、そして30を過ぎても、誰からも大人の女性として見てもらえないGwen。

それぞれのストーリーに独自性があり、作者は外側からジワジワと輪郭を浮き彫りにしていくような描き方をします。そしてその浮き彫りにされる実態も、フィクションによくある明確なストーリーではなく、人間関係の間に存在するけれども、決してクリアにならない何かなんですよね。

家族とは、さて何なのでしょう。家族を結びつなげているものとは、本当は何なのだろう。そんなことを考えさせてくれる1冊でした。作者による本の紹介はこちらで


それでは週末に突入~。
本屋のカフェで過ごすも良し、家でゆっくり過ごすも良し、
楽しくまったりいきましょう~☆

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