106冊目:The Paris Wife

8683812.jpg

Book No.106


Title:  The Paris Wife 

Author: Paula Mclain

Publication Date: February 22, 2011

Pages: 336 pp




久しぶりのレビューです。7月は旅行ばかりしていて本は1冊も読みませんでした。また今月からちょびちょび読んでいきたいです。目標としては今月は5冊。

さて前回読んだAlice I Have Been同様、こちらもかなり実話を元にしたヒストリカルフィクションです。

主人公のHadleyは、あのヘミングウェイの最初の奥さんです。

ヘミングウェイはこの後さらに3回、合計4人の女性と結婚しますが、他の奥さんが全員、ジャーナリスト系で頭脳明晰で、洗練された(野心家)女性だったのに対し、ただ一人、このHadleyだけは、芸術家とは無縁な平凡なただの女性でした。けれど一方で、ただ一人、無名だったヘミングウェイと結婚した女性でもあります。俗に言うスターターワイフですね完全に。Hadleyとの結婚の最中、ヘミングウェイはThe Sun Also Rises(日はまた昇る)を発表し、一躍有名になるのです。

小説は主にこのHadley の視点で書かれており、時々ヘミングウェイの語りが入ります。二人が結婚していたのは1921年から1927年にかけてで、結婚当初無名でジャーナリストなどして生計を立てていたヘミングウェイとパリへ渡ります。このジャズエイジのパリ。ここでヘミングウェイは、ロストジェネレーションの名付け親のスタインや、フィッツジェラルドやピカソなどの芸術家たちに囲まれ、刺激を受けながら小説を書き続けます。ちょうど先々月に観たウッディアレンの映画、"MIdnight in Paris"の世界でした。今アメリカもちょっとしたロストジェネレーションブームみたいですよね。

Hadleyは、ギリギリの生活の中で、見知らぬ土地と、見知らぬ人に囲まれながらヘミングウェイの支えとなり、子供を産みます。そして友人として心を開いていた、ジャーナリストのPauline Pfeifferと、夫ヘミングウェイの不倫を知ります。ヘミングウェイは、Hadleyとの離婚が成立した4ヶ月後、Paulineと再婚します。

Hadleyはとてもいい女性だと思います。末娘に生まれ、病気の母の面倒をみているうちに、当時としては嫁ぎ遅れと言われる年齢(30歳目前)になっている。8歳年下のヘミングウェイと出会い、恋するけれど、ヘミングウェイって、若い頃とってもハンサムなんですよね。そして自信家。写真を見ても、あまりお似合いじゃないのだけれど、ヘミングウェイはヘミングウェイで、自分の才能を信じて支えてくれる大人の女性が必要だったのでしょう。ただやっぱりパリ時代の写真を見ても、堂々としたヘミングウェイの傍らで、まるで田舎から出て来た母親のように馴染んでいないHadleyがいて、ちょっとせつないです。

ヘミングウェイは、後日Hadleyのことを指し、"I wished I had died before I Loved anyone but her" と後悔しています。そういえばヘミングウェイは60過ぎた頃自殺していますし、晩年幸福とは言えない人生だったのでしょう。でもねえ。

若い頃の彼に、Hadleyはやっぱり物足りなかったと思うのですよ。。私もこれがノンフィクションだったら、もっと面白く入り込めたと思うのです。というのも、やはり小説に登場してくる女性としては、ちょっとつまらないのですよ、このHadleyという女性は。すっごく良い女性なんだとは思うし、夫を支えることに生き甲斐を感じる気持ちはよく理解出来るし共感もします。

でも例えば「風と共に去りぬ」。あれってスカーレット・オハラが主人公だからあそこまで面白いけど、仮にメラニーが主人公だったらつまらないですよねえ。なんだかそんな感じなのです。やはり小説に登場する女性は、ちょっとくらいクセが欲しいなあ。まあ限りなくノンフィクションに近いらしいので、そんな感じで読むと楽しいと思いますが。

こちらは結婚当時の二人です。幸せそうですけどね。
hadley-richardson-hemingway.jpg



洋書ブログのランキングに参加中です。
にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
関連記事

Trackback

URL
http://koburiland.blog104.fc2.com/tb.php/246-87675b12
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

プロフィール

koburii

Author:koburii
HN:こぶり
*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。

カテゴリ

月別アーカイブ

Copyright © koburii