115冊目:Black Coffee

BLACKCOFFEE.jpg

Book No.115

Title: Black Coffee

Author: Agatha Christie / novelisation by Charles Osborne

Publication Date: 1998

Pages: 208pp


Hercule Poirot at breakfast in his small but agreeable cosy flat in Whitehall Mansions. He had enjoyed his brioche and his cue of hot chocolate.


寒くなりました。アガサ・クリスティの季節です。

今回はオリジナルがクリスティの戯曲で、それが小説化された本です。ポアロものです。

Hercule Poirotは、サリーに住む著名な物理学者Amory氏の家に招かれます。理由は、彼が新たに開発した原子爆弾用のフォーミュラ(化学式)が、家族の誰かによって盗まれる疑いがあるので、Poirotに、どうであれそれを阻止してもらいたいとの依頼です。

登場人物はいつものように、どの人もみな疑わしい。息子、彼の美しいイタリア人の妻、Amory氏の妹、姪っ子、秘書、執事、そしてこれまたイタリア人の謎のゲスト医師。

さて、実はポアロ到着前にフォーミュラは盗まれてしまうのです。そして家族やゲスト全員が、その晩フォーミュラが保管されたセイフティボックスに近づいたことはわかっています。

そこで一計を案じたAmory氏。部屋を1分間暗くするので、その間に黙って返してくれれば、誰がしたかは問わないし、間もなく到着するPoirotにも分かってもらうつもりだと宣言します。

そして明かりは落とされ、部屋は真っ暗に・・・

・・・1分後。

部屋に明かりが戻ります。と同時にPoirotも到着(ちと遅い)。

そしてAmory氏は、椅子に座ったままの姿勢で、既に死んでいたのでした。

ここからPoirotの犯人探しの始まりです。

本来はアガサクリスティが戯曲として書いたスクリプト。その小説版としてオズボーン氏が書き直したらしいです。戯曲ものらしい室内劇で、突然部屋を真っ暗にするなど、楽しい舞台演出が容易に想像できますね。

小説版は、ポアロのほのぼのした朝のヒトコマ(大好きなホット・チョコレートを飲みながら新聞を読んだり)から始まり、戯曲版とどの程度違うのかは分かりませんが、小説としての楽しさを出そうという配慮は所々で感じます。

クリスティ作ではありませんが私はそれほど気になりませんでした。ただ全体的なリズムとか楽しさに欠けるような気がしましたが、気のせいかもしれません(笑)。

殺されてしまうAmory氏ですが、優秀でお金もたくさんあるけれど、どこか暴君で家族を暗黙に支配しているような、クリスティのいつもの殺される偏屈な老人タイプでしょうね。

「はぐれ刑事純情派」じゃないけれど、犯人にも事情がある!が、アガサ・クリスティの本の魅力でもあります。そのため他のミステリーとはひと味違った(特に洋物では)味わいや暖かみがありますね。

それにしても、どうして寒くなると、ミステリーにどっぷり浸りたくなるのかしら。暖かいココアでも用意して、焼きたてのクッキーをほおばりながらクリスティを読む秋の午後なんて、最高じゃありませんか?



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