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Book No. 117

Title:The Garden Party and Other Stories

Author: Katherine Mansfield

Classic   


Oh, how fascinating it was! How she enjoyed it! How she loved sitting here, watching it all! It was like a play. It was exactly like a play. Who could believe the sky at the back wasn't painted? --- "Miss Brill"

キャサリン・マンスフィールドと言えば、V.ウルフがえらく買っていた作家、というイメージが一番に来てしまう私ですが、面白い短編小説を数多く残しているのですよね。短命なのが残念な作家の一人です。彼女の一番有名なこちらの短編集が、キンドルで無料で楽しめます。

味わい深く、ニ度、三度と読み返したい作品をいくつか取り上げます。

■Miss Brill

教師のMiss Brillは、孤独な中年女性ですが、休みになると公園に出かけ、人々を観察して楽しんでいます。
シェイクスピアじゃないけれど、「人生は舞台、人々はみな役者」がMiss Brillの信条で、彼女自身も、日曜の午後の、のどかな公園のワンシーンを飾る女優なのです。
新聞を読むふりをしながら、人の話に耳を傾けます。そんなある日、若いカップルがMiss Brillの前に現れます。いつものように聞き耳を立て準備していると、この若いカップルから、手痛いしっぺ返しをうけてしまうのです。Miss Brillは、週末の自分へのご褒美スイーツを買うのも忘れるくらい落ち込みます。お気に入りの毛皮のマフラーすら、すごすごと片してしまうのです。なんとも言えない気分になるお話でした。なんというか、この気分の浮き沈みは身に覚えがあります。すごく気に入っていたはずのものが、ある日を境に見たくもない代物になるとかありますよね。その時自分の心の中で起こっている出来事は、そっくりこんな感じなんじゃないかと思うのです。

■Life of Ma Parker
家政婦のParkerおばさんと、掃除をお願いしているジェントルマンの会話から、Parkerおばさんが最近孫を失ったこと、夫もおらず、経済的にも大変なことが分かります。仕事も辛く、なんだかやりきれなくて泣きたい気分なのですが、泣く場所すら無いことに気が付いて途方にくれてしまうのです。本当、どうしたらいいのでしょう。

■The Stranger
Mr Hammondは、10ヶ月ぶりに妻に会えるのでいそいそしています。最愛の妻は、ヨーロッパに嫁いだ娘の元へ行っていたのです。ファーストクラスから降りて来る妻を誇らしげに見ていたHammond氏ですが、なかなか二人っきりになれずイライラし始めます。ホテルに戻り、やっと二人っきりになれたと喜んだのも束の間、妻から嫌な話を聞いてしまいます。死の話です。Hammond氏は、この話を聞いた後ではもう二度と元の二人に戻れないことを察するのです。なんだかHammond氏の気持ちがちょっぴりわかります。女性は生(子供)や死に、ぱっちり目を見開いて受け止めることが出来るのでしょうが、男性はもっとナイーブなんですよ。

■The Garden Party
表題作ですね。Sheridanファミリーはガーデンパーティーを開きますが、その日、近所のScottさんが、事故で亡くなったことを知ります。幼い子供達と、奥さんが残されました。繊細な娘Lauraは、パーティーを中止するよう訴えますが、母親は聞き耳を持たず。そしてパーティー終了後、食べ物の残り物を届けたらScottさん一家が助かるのではないかとLauraに持って行くように命じます。The Stranger同様、パーティーの華やかさと、死のコントラストが見事です。鮮やかな、これ以上ない完璧な青空の一日。

何が起こったのか、気持ちがどう変化していくのか、長ったらしい説明はないのですが、その描写は繊細で、マンスフィールドの作品は、いく通りの読み方も出来るのが魅力です。一度ではもったいない。繰り返し繰り返し読みたくなりますね。


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