過ぎ去りしdays

散歩・本・映画・おやつ

148冊目: A Thousand Years of Good Prayers

c1ftr8668.jpg


Book No. 148
Title: A Thousand Years of Good Prayers
Author: Yiyun Li
Publication Date: September 12, 2006
Pages: 256pages

作者、Yiyun Liは、中国生まれ、中国育ちの女性です。
北京大学を卒業した後、医学を学びにアメリカに留学。
そこで人生初めての小説を、英語で書き始めるわけですが、ニューヨーカーなどの雑誌で取りあげられ、小説家として脚光を浴びてしまった才女です。

1972年生まれですので、この短編集を出した時でもまだ30代前半。
中国人の旦那さんと息子さんたちに囲まれ、カリフォルニアで大学講師をしながら小説を発表しています。

中国を舞台に、中国人を描いたものがほとんどです。
主人公たちは、何とも言えない理不尽な状況下に置かれたりしますが、それを哀れむでもなく、同情するでもなく、淡々と作者は描きます。
どの短編にも中国語の諺が出て来て、それが一層「そんなものさ人生は」的な、個人を超えた大陸的なおおらかさと寂しさを匂わせます。

壮大な歴史と、広大な大陸の中の、あまりにもちっぽけな人間の存在。
けれどラストはどれも不思議に暖かいんですよね。作者の言う、政府がコントロールする中国と、人・人・人で構成された市民の中国という、二つの側面が、どの小説にも見事に反映されています。


"Extra" は、50代の物静かで謙虚な未婚女性が主人公です。

このまま一人で将来どうするのと、おせっかいにも心配する友人の進めで、年金暮らしの76歳の老人と結婚。
けれど老人は実はアルツハイマーで、結婚生活は主に下のお世話。
間もなく老人は亡くなるのですが、息子たちが何やかんやと出て来て、相続はゼロ。
田舎の寄宿学校を紹介され、そこでお掃除おばさんとして働き始めますが、そこでなんと、6歳の少年を相手に、初めて恋を経験します。

"After Life" は、もうすぐ30歳になる障害のある娘と暮らす夫婦の物語です。

いとこ同士というタブーの結婚をしたため、精神的障害がある娘が生まれてからは、世間から背を向けるように娘を育ててきた夫婦。
娘の10歳下に、男の子もいます。妻がこのまま恥ながら生き無いようにと、夫の提案で作った二番目の子です。計画通り、障害もなく、非常に優秀な息子と成長します。
けれどなぜか、娘ではなく、完璧な息子の誕生で、夫婦の仲が冷えきっていくのです。

"Love in the MarketPlace" は、「ミス・カサブランカ」と生徒からあだ名をつけられている30代の独身英語教師。

理由は英語の教材としてただひたすら、映画「カサブランカ」を使用するから。
彼女には20代初め、結婚を約束した男性がいました。彼はアメリカに渡り、目処が着いたら彼女を呼び寄せる予定でしたが。。

表題作である”A Thousand Years of Good Prayers”は、アメリカに渡った中国人の娘と、彼女の離婚を機に、中国から娘が心配でやって来た父親の話。
この父親は近所に住むイラン人の女性と仲良くなり、お互いつたない英語で交流を深めて行きます。

私としては、やはりあまり若くない女性が主人公の物語が、ぐぐ〜と共感出き、どれも夢中で読みました。

ただ"After Life" の主人公には、やはり物申したい。そりゃそうなるでしょ!
そんな美人と親密な関係にさせられた彼だってある意味被害者だと思うよ。


にほんブログ村 本ブログ 洋書へ にほんブログ村 主婦日記ブログ お気楽主婦へ
関連記事

Posted by koburii on  | 0 trackback

Trackbacks

trackbackURL:http://koburiland.blog104.fc2.com/tb.php/679-ed5243cf
該当の記事は見つかりませんでした。