過ぎ去りしdays
夫婦2人家族、引っ越し妻、海外生活うん年目。いい加減日本に帰りたい・・。
和書「猫と庄造と二人のおんな」
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高峰秀子さんのエッセイを読んでいたら、久しぶりに百間先生が読みたくなり、「ノラや」を求めて本屋に行くが生憎無くて、かわりに猫つながりで谷崎潤一郎のこちらの本を読んでいたという。

題:猫と庄造と二人のおんな
著者:谷崎潤一郎
発行日:1936年

谷崎潤一郎氏は本人も猫好きで、しかも西洋種の猫ばかり飼っていたそうですが(さもありなんですね)、こちらの小説に登場するリリーも洋猫で美しい鼈甲柄の雌猫です。

前回読んだ痴人の愛の、河合とナオミの関係を彷彿させるような、庄造と猫リリーの仲。庄造は猫リリーにメロメロで、崇拝していて、奴隷的な喜びに浸っています。明らかに相手が犬では成り立たないこの関係。口移しで何十分もかけて小魚をくれてやる姿など、リリーへの愛し方は偏執で、妻達が嫉妬するのも無理が無い。

庄造には、女中上がりでしっかり者の妻、品子がいましたが、母親の思惑で持参金付きの金持ちワガママ娘福子と再婚し、品子を追い出し、福子とくっつきます。品子は品子で悪知恵を働かせ、リリーを自分の家に引き取ります。

タイトル通り、猫と庄造と二人の女のドタバタです。二人の女はリリーと比べると、品がなく、逆に庄造に振り回される感じが俗っぽいですが、一方リリーは最後まで冷たく、そうかと思うと甘えてきて、ツンデレぶりが素晴らしいです。そりゃ可愛いわ。

庄造はイライラするほど優柔不断で情けなく、自分でも言っていますが結局は家でも居場所がなく、母親の言いなりの優男。後継ぎのように収まっている荒物屋の商売も興味がないし、根性もない。リリーを溺愛し、奴隷のように仕える自分こそがおそらく本来の庄造なのでしょう。

しかし庄造も、後には元妻の品子も、至れりつくせりで世話してあげながら、「自分のせいでこんな不憫な目にあって、、」とリリーに対して申し訳なく落ち込んでいる姿がなんとも悲しい。品子はそういう意味で庄造と同じタイプでしょうかね。奴隷タイプでご主人様とかツンデレに弱く、自分を見下す相手に価値を置いてしまう。でも日本人は(私もそうだけど)そもそもマゾタイプが多いし、だから谷崎小説はいつまでたっても色褪せないのでしょう。逆に福子は、リリーやナオミと同系列のご主人様タイプ。間違いなくそのうち庄造の元から逃げ出しそうですねー。
にゃん


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*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。



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