過ぎ去りしdays

散歩・本・映画・おやつ

162冊目:84, Charing Cross Road

Book No.162
Title: 84, Charing Cross Road
Author: Helene Hanff
Pages: 112pp
First published: 1970

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ニューヨークに住むライターと、ロンドンの古本屋の、20年にわたる手紙のやりとりをまとめた書簡集です。

基本は本の依頼や本の売り買いに関する連絡なのですが、これが不思議な魅力と暖かさにあふれています。完全に双方の手紙だけで構成されていて、余分なストーリーが付け加えられていないのも良いです。

ニューヨークの駆け出しライターが、当時なかなか手に入らないイギリスの本をリーズナブルに手に入れたくて、雑誌で見かけたロンドンのチャーリング・クロスにある古本屋(Marks &Co)に手紙を書いたのが、ことのはじまりです。

Marks &Coで働くFrankと、ニューヨークのライターHeleneは、最初はビジネスライクに本の依頼や在庫や売り買いについて話し合いますが、何度もやり取りを交わしていくうちにだんだん打ち解け(といっても節度のあるFrankのくだけ具合はさすが)、文学はもちろん、仕事の話や家族の話、ロンドンの話、ニューヨークの話、社会情勢などにも話は及びます。

二人をつなげているのはもちろん本です。本を愛する二人が、ロンドンとニューヨークの距離を超え、20年もの間、愛と優しさ、ユーモアにあふれた手紙を交わし続けたなんて素敵ではありませんか。

時にイギリスの食料事情を心配した著者が、Frank一家にハムを送ったり、またFrank一家はみんなでHeleneにクリスマスプレゼントを選んだりします。

ロンドンに今年こそは遊びにいらっしゃい。

行けるといいのに。

そんなやりとりを20年も続けながら、決して会うことはなかったFrankとHelene。けれどHeleneには、Frankが送ってくれた本がある。憧れたイギリスの全てがここにある。最後のHeleneの手紙は、目頭が熱くなります。

I remember years ago a guy I knew told me that people going to England find exactly what they go looking for. I said I’d go looking for the England of English Literature, and he nodded and said : “It’s there.”
 Maybe it is, and maybe it isn’t. Looking around the rug one thing’s for sure : it’s here.
[from 84, Charing Cross Road]


ネットもアマゾンも電子ブックもない時代、なんとも贅沢に本は旅をし、求められ、人々の手から手へ渡り歩いていたのでしょう。もちろん今の便利な時代もいいですけどね。

ちなみに残念ながら、84 Charing Cross Road, London, W.C.2.に現在Marks &Coはありません。
当時のMarks &Co

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一方、Heleneが住んでいたニューヨークのアパートは(引越した後の方)、今でもちゃんと存在していて、しかもCharing Cross Houseと呼ばれています。Charing Cross House

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