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167冊目:The Dinner

Book No.167
Title: The Dinner
Author: Herman Koch
Publication date: February 12, 2013
Pages: 304 pages



Herman Kochの" The Dinner "を読み終えた。

読みやすくて構成も凝っているのでスルスル読めてしまいます。オランダ語から翻訳されたものなので、英語も難しいものは使われていませんし。ただテクニックやエンターテイメント的には大満足ですが、内容的にはそれほどの感動はなかったかな。

けれど”Gone Girl”と”We Need to Talk About Kevin”を足して割ったようなダークで心理的に落ち着かない、引き込ませるプロットではあります。

ある夏の夜。アムステルダムのひっそりとした素敵なレストラン。
ここで二組の夫婦が食事をします。男二人はきょうだいで、一人は次期プライムミニスターとも言われている大物政治家。もう一人はメンタル問題を抱える元歴史の教師で過去12年は休職中。

アペリティフを頼み、前菜を選び、穏やかに食事は進んで行きます。最近の映画の話や社会事情、儀礼的なやりとり、ふれあうグラスの音。
二組の夫婦には同い年の15歳になる息子がいます。この息子同士は友人で、実はあるショッキングな事件に関わっています。何が起きたかはなかなか明かされません。二組の夫婦がこの息子たちの話を出すのも、メインも終わったデザートの時です。

本は5章、"Aperitif" "Appetizer" "Main Course" "Dessert" "Digestif"に分かれていて、読者も一緒に食事を待たされるかのようにじらされ、なかなか明かされない出来事の全貌を待たなければいけません。

キャラクターは何ともまあ誰一人好感が持てません。最初は嫌な感じの有名政治家が、最後は一番まともだと思えるくらいです。ナレーターでもある休職中の冴えない男性は、明らかに問題を抱えています。彼の皮肉や卑屈さも最初は面白いけれど、だんだんと笑えないレベルになってくる。

夏の午後のアムスの隠れ家的なお洒落なレストランの雰囲気を楽しみ、アペリティフのシャンパンから前菜、メインコース、デザート、食後酒のグラッパまでのお食事を楽しみつつ(どれも美味しそうよ)、一方でダークでずっしりとくる事件を聞かされるという、ある意味悪趣味な、ある意味そそられる話ではあります。

ハッピーエンドや、読後の感動を求める方にはおすすめできません。また面倒くさいタイプの男のうだうだは聞きたくないわいっという人にも進めません。けれど英語はとても読みやすくページターナーで、ダークな引力を持つエンターテイメント性の高い1冊です。
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