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国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦。



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168冊目:Where'd You Go Bernadette

Book No.168
Title: Where'd You Go Bernadette
Author: Maria Semple
Publication date: August 14, 2012
Pages: 326 pages



読み終わりました。ちょっと夢中で読んだようで、夜の読書時間が多めだった。おかげでここ2〜3日は楽しみにしている野球中継も中途半端で見所を逃す。

主人公の女性Bernadetteは50歳の主婦。近所付き合いもPTAの活動にも積極的に参加しないので、ママ友からもご近所でも嫌われています。確かに、家事もほとんどせず、15歳になる娘はもうすぐボーディングスクールに入れる予定だし、夜もろくに寝ないで朝まで起きていたり、人付きあいが嫌で、家に引きこもり、インドに住んでいるインターネット秘書に旅行の手配から近所のレストランの予約や買い物のオーダーまで何から何までさせている、まあざっくり言えばちょっと重度のコミュ障主婦ですね。

ところでこのBernadetteは、マイクロソフトで活躍している旦那さんがいます。そのためLAからシアトルに引越してきたわけですが、1年中雨の降っているこの街も、近所の人々もBernadetteはうんざりのようです。おまけに買った家は、問題だらけで、雨漏りはするは、床は腐るは、近所のトラブルの元にはなるわ。この家はBernadetteそのものを表しているかのようです。

Bernadetteは結婚前は、全米の中でもトップクラスの建築デザイナーとして、将来を約束されていたキャリア女性です。それが夫の仕事で引越し、夫の成功を横で見ながら娘を産み育て、ママ友や近所付き合いで悩まされ、引きこもりになり、しまいには旦那に浮気され、なんとか軌道修正しようともがき、でももがくほど空回りで、みんなからは問題児扱いされる。そして逃亡。

逃亡した母親を、15歳の娘Beeだけは必死で理解しようとします。この娘が非常にかわいらしい、健気で。ただ一人ママの見方。女の子はいいやね。

近所で、PTAの中で、何が起きたのか。母親を追いつめたのは誰なのか。父親は何をしたのか、もしかは何をしなかったのか。Beeのナレーションと、母親同士、会社でのEメールのやりとり、手紙の交換などが降り混ざって進んで行きます。

基本的には楽しい小説です。けれど主婦のアイデンティティ問題なんかもテーマでしょうし、社会風刺も効いてますから、笑うに笑えないかもな箇所も多々あり。Bernadetteは無責任だし、取った行動は決して褒められないけれど、主婦なら(特に子育てを優先にしてきた母親なら)、誰にでもこんな風に思い詰めてしまう時期はあるのではないかと思う。そしてさんざん苦しんで、もがいて、最後には、やっぱりありのままの自分でいいこと、そして要は自分の気の持ちようだと思い至るのではないかと。軽そうな感じで始まる小説だけど、途中で実は結構ディープなのかと心して読み、でも最後はやっぱりそれほど重くはなかったという感じで爽やかにエンディングを迎えます。

それにしても引きこもり主婦と南極とは面白い。シアトルのローカル話もかなりうける。アメリカのリッチ向けエリート私立学校も西も東もいろいろありそうだし、マイクロソフトのお膝元の学校とか街の話も恐いもの見たさの楽しさが。ところでシアトルは2、3回行ったことはあるけど、雨も好きだし、コーヒーも美味しくて、図書館も充実してて(それこそビルゲイツが寄付した図書館とかすごかったし)住みたいと思った都市の一つ。シアトルについていろいろ書かれてはいるけれど、最後にはちゃんと愛情も感じられるので、シアトルにお住まいの方も途中で投げ出さず安心してお読み下さい。けれど個人的には、この本を一番おすすめしたい人はやっぱり雅子さまかなあ。。。機会があればぜひ!

英語の単語はそれほど難しくはなく読みやすいのですが、普通の文章での説明ではなく、メールの繋ぎあわせで人物描写がされていたり、メールの発信者がコロコロ変わるので、人によってはこれが逆に読みにくいかもしれません。
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