夫婦2人家族、引っ越し妻。いいかげん日本に戻りたい主婦の日記〜散歩/本/コーヒー(おやつ)他。

175冊目:Hotel Iris

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Title: Hotel Iris
Author: Yoko Ogawa

そういえば前回も、ブランク明けは小川洋子だった。(164冊目:Revenge)

小川洋子さんの本でアメリカで見かけるのは、"The Housekeeper and the Professor"(博士の愛した数式)と、"The Diving Pool"(ダイヴィングプールや妊娠カレンダーなどが収録)、最近出た"Revenge"(寡黙な死骸 みだらな弔い)、それとこちらの"Hotel Iris"(ホテル・アイリス)でしょうか。翻訳者が桐野夏生さんや、村上龍さんの英訳もされている方なので、サイコサスペンス風がお好きなのかしら。ちょっと違う気もするんですけどね。本当は系統的には村上春樹氏の翻訳者のJay Rubinさんなんかにやってもらえると嬉しいのだけど。


"Why do we have to be leave each other? Why do we have to be apart?"

"I don't know……" He shook his head again and again.

舞台がどこなのかわかりません。海の近くのホテルということは確かですが。

日本なのでしょうが、何処だろう?という感じで、これだけで幻想的な雰囲気です。

主人公は17歳の若い女性Mari。Mariは学校には通っておらず、母親が経営するホテル、"Iris" のフロント係をしています。母親はとても支配的で、Mariの髪を毎朝きっちり結い上げ、人形のように可愛がる一方、奴隷のようにMariを好き勝手に扱っています。

このホテルに、初老の男性が商売女性を連れて泊まっており、騒動を起こしたことから、Mariと初老男の、ある意味純粋で、ある意味倒錯した恋愛が始まります。

Mariは母親の目を盗み、男に会いにいきます。男は離れた島に住んでいて、その閉ざされた空間で、Mariに凌辱の限りをつくします。小川洋子さんの小説の中でもエロティシズム全開です。もともとじめっとした、ダークな物語を描く彼女ですが、ここまでの作品もあったのかと、軽い驚き。

でも汚くないですよ。SMだし、残酷さはありますが、グロではないです。このさじ加減がいいんですよね、小川洋子さんは。

Mariと初老男は50歳くらい年齢が離れているそうなので、男は65~70歳前後でしょうか。
レビューによっては「少女と老人の屈折した愛」みたいなことが書かれていたのですが、自分の経験から言わせてもらえば、17歳は「少女」ではないですね。男はちょっと微妙。65歳なら今は結構若いですしね。でも70歳くらいから急に老けるんですよね。まあ何でもいいんですけど、とりあえず呼び名は初老男にさせてもらいました。

Mariは男によって破壊されてしまったので、おそらく髪が伸びても、もう母親の思い通りには使えないでしょう。完璧な娘でいるための条件は快楽を知らないことです。Mariにとって彼は運命の人です。

読んでいてちょっとデュラスの小説にもありそうな気がしたのですが、というよりもデュラスがあるエッセイの中で、フランスでおきた少女と老人の逃避行の事件の話を書いていたことを思い出した。

老人は捕まったのですが、少女が二人の関係は愛以外のなにものでもないと主張し、老人の無罪を嘆願したとかそんな話。もちろんデュラスはこれを全面的に支持していた。若い健康的なカップルの、健康的なセックスだけが、愛ではない。ずいぶん昔に読んだ話で曖昧なんだけど、この少女と老人は何歳だったかなあ。老人とかではなく、10歳くらいと40歳くらいだったような気もする・・どなたかご存知の方いないでしょうか。



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*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。

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