夫婦2人家族、引っ越し妻。いいかげん日本に戻りたい主婦の日記〜散歩/本/コーヒー(おやつ)他。

176冊目:The One and Only Ivan

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Book No.176
Title: : The One and Only Ivan
Author: Katherine Applegate
Publication date: January 17, 2012


主人公のIvanは、ショッピングモールの客寄せアトラクションとして、ガラス張りの小さなスペースで暮らすゴリラです。

小さい頃に人間に捕らえられ、人間の手で育てられ、そのままモールの独房で27年もの歳月を過ごしてきました。ガラス越しに人間を眺め、自分の小屋に置かれたテレビを見て過ごすIvanは、特別寂しさも感じず、ジャングルを思い出すこともなく、昨日と同じ永遠の今日を送っています。同じモールのアトラクションである象のStellaと、モールをうろつく野良犬のBob、そして掃除係の娘Juliaは、Ivanと心が通じる唯一の仲間です。

自分と同じゴリラとの接触もなく、たった一頭で生き、おそらく死んでいくはずであったIvan。惰性で受け入れてきた日々。でもある日、このモールに新しく象の赤ちゃんのRubyがやってきたことで、Ivanの心が動き始めます。

きらきら素直なかわいいRubyも、芸を仕込まれ、アトラクションとしての人生を歩み始めます。Rubyを世話し、心配するのは老いた象のStellaです。Stellaもまた孤独で寂しい人生を送ってきました。そして一日3回365日、もう動かない体を奮い立たせ、モール客のためにショーを演じてきました。彼女はRubyが自分と同じ道を歩まないように、IvanにRubyを助けるよう約束をさせます。

果たしてIvanはRubyを助け出すことが出来るのでしょうか。自分でさえ、27年もの間檻に閉じこもったままなのに。

運命を変えるのはIvanのアーティストとしての才能です。Ivanにはある特別な才能があったのです。この力により、Ivanはまた自らの運命をも変えていくことになります。

* * *
こちらの小説はフィクションですが、 Ivanのモデルのゴリラは存在します。
The Real Ivan
モールの引き寄せパンダ(ゴリラだけど)として、30年近く、孤独に檻の中で過ごした後、ショッピングモールの破産とともに動物園へと引き渡されます。
そこで初めて、自分と同じ種族のゴリラたちに出会い、去年(2012年8月まで)50歳まで生きたそうです。
* * *

孤独と友情。感情とアート。そして責任感を持つことで初めて芽生える、人生を変える意識と勇気。引きこもりがちな現代人へのメッセージとも取れるこちらの作品ですが、2013年のニューベリー賞受賞作としても大変ポピュラーな一冊です。

語り手がゴリラということで、文章は短く、簡素で、ニューベリー賞受賞作の中でもとても読みやすいものだと思います。300ページはありますが、行間が広く、語彙数が少ないので時間もかかりません。

アメリカのショッピングモールって、行かれたことがある方は同意して頂けると思うのですが、いっくら派手なところでも、なぜか必ず寂しい気持ちになりませんか。田舎に行くほどモールって充実していて、だからこそ余計に空しいというのか。。そこでテレビを見ながら何年も過ごすゴリラというのは、もうそれだけで哀愁の塊なような存在ですね。でもゴリラだけじゃないんですけどね。いろんな意味で興味深い一冊でしたよ。

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*国内外問わず、夫の仕事の関係で引越しばかりしている40代の主婦(子供なし)です。最近は海外ばかりでいい加減日本に帰りたいです。
*すぐ引っ越すので知り合いが出来にくい/単独行動/インドア派、と引きこもり要素たっぷりではありすが、前向きに楽しみを見つけながら暮らしていければと思っています。
*読書や映画の感想を時々書いてます。

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