Book No. 27

Title: The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference
Author: Malcolm Gladwell
Publisher: Little Brown(2000)
Paperback: 304 pages

今月の5冊目です。今月は後半読書のペースが落ちています。

*****
The three rules of the Tipping Point -- The Law of the Few, the Stickiness Factor, the Power of Context -- offer a way of making sense of epidemics. They provide us with direction for how to go about reaching a Tipping Point.(pg.29)

先々月読んで面白かったOutliersの作者Malcolm Gladwell のちょっと前の作品。アマゾンで見るとこちらの方が評判もいいし、今だ売れ続けている

この本で使われているTipping Pointとは、いわゆる臨界点のような現象を指した言葉で、マイナーからメジャーに変わるモーメント、「密かなブーム」が「社会現象」に移り変わる、そのミステリアスで興味深い瞬間を説明をしている。

例えば、80年代まで地下鉄の落書きや犯罪率の高さで有名だったニューヨークが、90年代には世界一安全な都市にまで変貌したその理由。

ほぼ無名の作家が出版した1冊の本が(出版記念イベントでは7名しか集まらなかった)、いかにしてアメリカ全土で読まれるようになり、引いてはサンドラ・ブロック主演で映画化までされるようになったのか。

青少年による自殺が相次ぐ現象、タバコのブームなど、社会問題となるトレンドの動きかた、移り変わり等・・・ある瞬間からの劇的な変化。

前回に引き続きとても楽しく読んだのだけど、やはり同じところで気になる。作者Malcolm Gladwellは、人物を描写する時にとても熱が入る人らしく、少しドラマチックになり過ぎる傾向がある。人間味を持たせるのはいいんだけど、「オーバーだなあ」と引いてしまうことが多々。

例えば90年代のNYC地下鉄での犯罪率の低下の説明。落書きやキセルなどの軽犯罪の見過ごしがいかに犯罪の種となっているかを見抜いた地下鉄ポリスが、小さな犯罪を根気よくつぶし続けた話、引いてはNYC全体の治安改善にまでつながるこの過程の話はとても面白い。面白いけれども、犯罪の低下はやはり90年代のクリントン政権がもたらした~金融バブル~史上空前の好景気~非雇用者数の激減~タバコやアルコール会社叩きとハイテク若手産業の応援等~による所が大きい。景気と犯罪というのは明らかに関連性があるし、政府支援の新しい時代の幕開けは明らかに古臭い「不良」を一掃した。ミクロの働きはそれをサポートするマクロな背景抜きには語れない。

もちろんミクロの話の方が面白いしリアルだ。マクロを話るより、一人のヒーローを取り上げて劇的な変化を語る方が断然面白い。だから彼の本はいつもとても面白い。ただどうしても時々「オーバーだよ・・」の台詞が出てきてしまう。読みものとしての評価は★5つ。社会現象の説明としては★3つ。

My Rating: 3.5 out of 5
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