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180冊目:The Handmaid's Tale

2013年11月22日

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コミカレのWoman's Studyのクラスで使われていた小説で、授業で1/3だけ読んで引越しやら何やらでそのままになっていたので今回ちゃんと読み返してみました。カナダを代表する作家マーガレット・アトウッドの有名な本です。

Book No.180
Title:The Handmaid's Tale
Author:Margaret Atwood
Publication date:1985
Pages:324pages

There is more than one kind of freedom, said Aunt Lydia. Freedom to and freedom from. In the days of anarchy, it was freedom to. Now you are being given freedom from. Don't underrate it.

〜The Handmaid's Taleより

出生率の低下で、少子化問題がシャレにならないほど深刻化した近未来が舞台です。川を渡ればボストンとの記述からマサチューセッツのケンブリッジが想定されますが、サマービルとかチェルシーかもしれないし、まあその辺らしいです。この状況で、政府は少子化対策としてあるシステムを作りあげ、人々は与えられた役割通りにしか生きることができません。

主人公は若い女性Offred。Offredは、子供を産むことだけが仕事の女性です。彼女が仕えるご主人さまはFredという名前で、彼女の名前"Offred"も"of Fred"、つまり「フレッドのもの」という意味があります。要は人格は剥奪され、子を産む機械となり、政府に貢献することだけが彼女に与えられた生き方です。彼女が仕える家には年配の奥様もいて、子供を作る儀式(つまり夜の営み)の時は、3人でベッドに横になります。色気は一切抜きで、奥様とOffredが重なるように横になり、ご主人が加わります。

恋愛は禁止され、勝手に結婚ももちろん出来ません。食料は配給制。子供を産むことだけが仕事の若いOffredらは、赤い服を来て、顔の周りは見られないような囲いをして、名前同様一切の所有を禁止され、ある主人から別の主人へと渡り歩きます。

こんな奇妙なシステムが出来上がったのはそれほど昔ではないらしく、主人公も仲間たちと、こんなやり方は長くは続かないだろうから頑張ろうみたいに励ましあって耐えています。それでも反逆児たちは捕まり続け、また過去に中絶をしたことがあれば、患者だけでなく医者まで密告され処刑されてしまうような厳しい監視下にあります。

Offredは33歳という微妙な年齢で、仕事であってももちろん簡単に子供は出来ずプレッシャーをかけられています。妊娠出来たもっと若い同僚達の見せびらかしに苦しみ、奥様からは嫉妬と嫌がらせ、使用人からは見下され、旦那さんからは秘密の申し入れがあったり、Offredの人生は厳しいものですが、それでも彼女は頑張って生き抜かなければならない理由があります。

現在(ハンドメイドとして仕える日々)と、ハンドメイド養成所みたいな場所で仲間達と暮らした日々、そして現在のシステムが出来上がる前の普通の生活(Offredは自立した女性で家族があった)の、3つの時間軸で構成されていてOffredの思考の流れによって場面が変わります。そしてOffredはこの話を信じてはいけないと繰り返します。自分の名前すら失い、子供を産む機械となった女に、自分の物語など存在しないとでも言うように。

出産は仕事となり、仕事をしない人間は価値なしということでどこかへ送られ、反逆がひどいと手足を切断されたりと(妊娠出来る体は貴重だから残すとかね)、ひどい社会ではあるけれど少子化の産めよ増やせよ的な風潮を突き詰めていけばそういうことになるのかもしれません。
宗教(キリスト教:堕胎は罪)と政治が、少子化問題(人類滅亡論)でがっちりくっついてしまった厄介な社会の例ではありますが、自由社会は自由社会で格差を産み、嫉妬しあい、足の引っ張りあいがあるわけで(冒頭の引用もそのことを言っていますが)、共産主義的な「全体の利益」のために個人を抹殺する世界に居心地の良さを感じる人は少なくはないはず。

英語は難しめです。先に述べたように時間軸は交錯しているわ、閉じたキリスト教社会での独特の言い回しがあるわで疲れた。内容も楽しいものではなく、読んでいて苦痛を感じる場面も多かった。最近読書する気分に全然なれなくて何だかなーと思っていたのですが、この本が辛かったという理由もあったのかな。だらだら2ヶ月以上前から読もう読もうとしていて進まず、他の本に乗り換えたりで、読み終わった途端気持ちが晴れた!ってどういうことよ。読書は趣味、道楽なのに。別に無理して読まなくてもよかったような気がしないでもないですが、まあ気になってたので読んでよかったです。

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