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193冊目"A Year by the Sea" 主婦の一人暮らし

2014年06月20日

ayearbythesea.jpg

Title: A Year by the Sea
Author: Joan Anderson
Publisher:Broadway Books
Publication date: August 15, 2000
ISBN-13: 978-0767905930
Format: Paperback
Pages: 208 pages

ノンフィクション。バイオグラフィというかエッセイというか。
作者Joan Anderson氏は作家です。子供も大きくなり、また旦那さんと二人の暮らしに戻るある時、突然旦那さんが転勤になり、引越しの話が持ち上がる。
ここでJoanはハタと気付く。「私は行きたくないぞ」と。
人生の後半戦、第二章。子供も巣立った今、これからどう生きるのか、どう過ごすのか。Joan は一人になって考えることを選びます。離婚ではありません。「しばらく一人になって考えたい」というやつです。
そこからJoanのケープコッドでの海辺のコテージ暮らしが始まます。そしてその一年間の様子が、月ごとに書かれています。

I am utterly content, tranquil in my aloneness, serene. Joan once told me that the root word in Greek for “alone” means “all one.” That is precisely what I am experiencing, a sense of that sort of wholeness.
"A Year by the Sea"


主婦にとってはまことに興味深い本です。
「海辺のコテージで一年間一人暮らし」というのは何という魅力的な響きでしょう。はっきり言って主婦にとっての本当のファンタジーって、不倫でもなければ、社会的な成功でもなく、こんな時間を持てることなのかも。子供の心配もなし、夫のことも考えず、自分のペースで、ただ波の音と生きる。家族が大切な分、家族がいると、家族に合わせて家族のことばかり考えている。自分の時間がないというよりも、一人にならなければ自分が見えてこない。家族が全てである分、家族といると自分が消える。自分が誰であるかすら忘れている。

読者を選ぶ本ではあります。評価も両極端。「海辺のコテージ」を所有していたり(ケープコッドは日本の葉山のような、都市に近い静かで海沿いの別荘の多い憧れの土地)、別居が可能な経済的余裕、作家という仕事、旦那さんの理解等、普通では無理という意見もあると思う。

でも別荘は持っていたとして、日々の暮らしは作家として稼いだお金ですし、地元でバイトをしたり、自立した女性です。また別居の後は旦那さんに離婚されるリスクもあるので、勇気もあると思います。

個人的には彼女のキャラは好きなんですが、海辺でのエピソードはさほど惹かれなかった。基本何も起きないので。退屈した頃に、人間観察に長けた知的な80代のおばあちゃん(同名Joanさん)と突然出会い、女性の生き方について語りあうとか、ちょっと出来過ぎのような気がしないでもなく。小説ではないのでラストも無難です。でも、裏方稼業の主婦を20年も続けた後、自分についてじっくり考えたり、一人の時間を持つのってやっぱり価値があると私も思いました。また共感する箇所も多々あるし、朝一緒にコーヒーを飲み、海辺の小さな町を散歩しているような気分にさせてくれます。


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