内職で字のちいぃっこい辞書を引く日々が続き、さすがに目が悲鳴をあげていますので、当分は読書はオーディオブックになりそう。

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Title: The Upstairs Wife: An Intimate History of Pakistan

Author: Rafia Zakaria

Audible Audio Edition
Audible.com Release Date: February 3, 2015
Listening Length: 10 hours and 16 minutes

日々ターリバーンのニュースを見ながらも、アフガニスタンやパキスタンの問題を気にかけるでもなく、興味を持つわけでもなく生活しています。

しかし、そこの土地で暮らす女性達がどのような日々を過ごし、家族や政治や社会と向き合っているのか。男達と力が支配する世界を、家庭の主婦や女子目線で語られると、突然世界は身近になりますよね。

ノンフィクション。著者はインド系パキスタン人のジャーナリスト/作家/人権アクティビスト。タイトルでもあるTHE UPSTAIRS WIFEは、著者の家族(インドからパキスタンに移民)特に叔母さんAminaの話です。Aminaのパキスタン人の旦那さんはイスラム教で4人まで奥さんを持てます。のちに若い第二婦人をもらい、第二婦人がファーストフロアで生活するため、Aminaは二階の部屋に移ることになります。

ストーリーは2007年、病院に担ぎ込まれた叔父の快復を待つ著者(とその家族)の元に飛び込んできたショッキングなニュースから始まります。それはパキスタンの女性指導者Benazir Bhuttoが暗殺されたというものです。

本のサブタイトルは"An Initimate History of Pakistan"となっていて、叔母を含む著者Zakaria家の歴史がそのままパキスタンの歴史とも繋がるんですね。

1947年のインド・パキスタン分離独立。そして1962年に、Zakariaのムスリム系祖父母と親たちはそろってインドからパキスタンのカラチへと移住します。当時ヒンデューとイスラムの宗教分けで、インドからムスリム系が大量にパキスタンに移住したわけです。この時の難民問題で中心となっていた方が、暗殺されたBenazir Bhuttoの父Zulfikar Ali Bhuttoです。

Zulfikar Ali Bhuttoのイスラム教化は叔父のポリガミーとも繋がります。叔母Aminaの反対は完全に無視され、叔父は第二婦人を家に招きます。そして第二婦人は一階のキッチンのあるフロアをテリトリーとし、Aminaは二階へと移されます。この限られた部屋と窓から見えるパキスタンだけが叔母Aminaの世界となっていきます。

このパキスタンの歴史と、Zakariaファミリーの歴史(特に叔母Aminaの話)が、絶妙な混ざり具合で進行していくんですね。結果個人的になり過ぎず、客観的にもなり過ぎず、上手い構成だなあと感心しました。所々胸が詰まる箇所あり、考えさせる箇所あり。ジェンダー、移民問題、人種問題、宗教問題と、いろいろ含みの多いストーリーです。

ターリバーンや、マララさんの活躍以降、注目されることの多いパキスタンだけに興味深かった。先日読んだイエメンのNujoodさんの話もそうですが、ムスリム女性の手記はとても増えているので、もう少しいろいろ読んでみたいと思いました。




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